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就農九年目にして慢心す

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場所が変わったとて、別に苗づくりの方法が変化するということも無かった。
 
昨年も今年も、露地育苗で充分だと思っているし、今後も栽培規模が大きくならなければ
その姿勢が変化することはないだろう。
 
育苗ハウスも、催芽器も必要無い。消毒剤も、苗箱処理も必要無い。全自動の種まき機も
必要無い。カマドでマキを燃やして温湯消毒すれば、ガスも灯油も不要。
浸種は、湧水の流れる水路に種もみをさらしておくか、ポリダライに突っ込んで時々
水を換えてやれば良いし、電気で加温しなくても、時間はかかるが露地で少しずつ加温
すれば良いだけだ。
 
ただまあ、今年はその加温をしくじった感が否めない。もう暖かくなっただろうと
三月下旬に播種をしたら、その二日後に感の戻りがあり、その後もしばしば低温に
見舞われる。なんだかんだで、苗箱をを積み重ねて被服をしてから氷が張るような日が
3日くらいあった。
 
20170408_100651.jpg
 
で、発芽ムラがいつになく大きくなった。普段は農ビ+プチプチシート+ブルーシート
で保温をしているところを端折り、薄手のフィルムシート二枚重ねとブルーシート二枚
重ねで済ませるという試みもだいぶ良くなかったと見える。被服内側の温度をモニター
してみるにつけ、温度の上昇も緩慢且つ苗箱外側からの放熱も早かったのである。
それでも、種モミが死ぬような温度にはならなかったので、結果を確認するために、
特に対策を施さなかった。

まあ、播種直後の低温だったので、動き出そうとする種モミの一部が再び休眠状態に
戻ってしまうのは当然。だが、別に死んではいないのだ。例えば、今まさに発芽して
いるようなところで、霜などに当たってしまうと低温耐性の低い品種などは凍死して
しまうことがあるのだが、その事態は回避出来ているのだから良しとする事も出来る。
出芽が遅れてきた部分も、ひとたび芽が地上にでてしまえば、最終的に植える段階に
なると遅れを取り戻せている事が多い。経験上、無加温の完全露地育苗+水苗代の場合、
発芽が一週間以上ズレなければ問題が出ない。生育が緩慢な育苗方法故の安心感で
あろう。

傍目には、明らかな失敗だが、5月の中旬までに田植えが出来れば良いのであるから
別にそんなに慌てて育苗する必要など無い。まったく気楽なもんだ。このように
取り返しのつく範囲内で失敗出来るのなら、いくらでもして損はない。考えてもみれば
すればするほど、短期間でノウハウが蓄積されてゆくのだから、新参者の農業者などに
してみれば、取り返しのつく失敗は却って好都合だとさえ思えてくる。

けれども、世の中には発芽ムラが大きいだけで、この苗はダメだとか言って種を蒔き
直す人も大勢いる。確かに、人間の都合で設定されている育苗環境に合わないから
失敗なのは間違いない。しかし、それにばかり執着することは、良かれと思って導入
した設備にかえって弄ばれているばかりか、資材や種苗を扱う業者の思う壺だという
事も間違い無いのである。

 
で、今回はいっぺんに苗を並べることは出来なかった。
まだイマイチ加温が上手くいっていない苗箱を集めて、加温が偏っている部分を
日当たりの良くない側に持向けるなどしつつ積み直し、引き続き被服を継続する
ことになる。
 
20170408_100707.jpg
 
我ながら、何だこりゃと言わざるを得なかった。
散々失敗しても大丈夫とか書いておきながら、これでいて露地育苗は八年目なのである。
気楽に構えているのは構わないが、これはまあ、だいぶ驕りとか怠惰でもあるかなとも
感じる。なにしろ最初に加温が上手くいっていないと言う事に気がついて尚も放置した
ということを思い返してみても、放置して結果を見てみようという気持ちはあったに
せよ、オチはそれなりに見えていたのだから。

【覚悟の必要が無い失敗だったら、別にそれでもいいや。】

という姿勢が、一連の流れの中に常にあったということを再認識しておこう。
そういった気持ちを出来るだけ排除しておかねば、今後の作業がどんどん雑になってゆく。
 
尚、はじっこだけでも芽がだいぶ伸びてきてしまったものは、申し訳ないが、他の
部分がどうなっていようとも、今後も容赦なく露地に放り出す。そして、葉っぱが
二枚になった時点でビオトープに放り込む。そして三週間くらい放置すれば、いよいよ
田植えの季節。色々と意地悪をしているようだが、後は自然の光と暦に任せて強く
元気に生育して欲しい。自分は、その手助けをするだけだ。途中まで水切れにならない
ように、それと鳥に食われたりなどしない程度に。以降の管理はちゃんと気をつけるの
で苗さん、どうぞ収穫・出荷までよろしくお付き合いください。

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