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#71 薬ふるって古い話に花咲かす

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少しずつ日も短くなり、夕暮れ間近は心地の良い涼しさ。
足を止めれば世間話。


犬のおじさんと、がっしりしたおばちゃんと、すごいおばあさんと、道の真ん中で話し込む。

道ばた会議.jpg


犬おじ  『ここいらも、土手に除草剤撒く奴らが増えてきたの。』

がっしり 「まず、ここの向こうの田んぼいっぱい薬かけてるな。」

犬おじ  『そこだけでねえ。あっちの方さもだ。何回薬ふったかわかんねえ。
       イネも実が入る前から少し枯れあがってきてるからありゃ、うまくねえぞ。』

がっしり 「おっかねえなぁ。」

おばあ 「うちらなんかは、薬ぜんぜん少ないほうだよ。」

太郎   「歳とってくると、撒かざるを得ないんですかね?」

がっしり 「んだ。若いときはいいけっど、歳食ったらその半分位しか動けねえど。
       薬使わないととてもおっつかん。一日中機械なんてかけれねえ。」

おばあ  「んでも、あんちゃんの田んぼ、薬使わなくてもいいイネになった。うまい米取れるよ。」

犬おじ  『ほんでも、除草機押すのが遅すぎたな。イネの高さが20センチくらいでも
       押して大丈夫だから、もっと早くやんねえとな。」


みんな、農薬はできることなら使いたくないのが伝わってくる。
昔はでかいシジミが取れたけど、今はいなくなったそうだ。魚や貝も、薬をふった
所で取れたものは誰も食べようとしない。


けれど、この界隈で作業する人の平均年齢は、おそらく70歳前後。
この過酷な土地で、ほとんど休耕地もなく栽培が出来ているだけでも軌跡に近いことだ。
それはそれで、正当な評価を受けてもよさそうなものなのだが。


黄昏の時間と、この土地の行く末を憂う気持ちが重なっていく。


忍耐強い、昔からの人の力で主食は支えられている。
消費者は安全な米が欲しい。農家は米をやりたがらないという図式に挟まれながら。

こんな風に話しているうちに、昔の話になったりする。それがまた楽しかったりする。

手植え、手刈りはもちろん、脱穀と精米も人力で行っていた時代のこと、
牛馬で田んぼを起こしていた話、区画整理される前の棚田の配置・・・。
当時の知恵に興味は尽きない。そして、何故かそれが身近に思えてくる。


山田.jpg


犬のおじさんから、写真右側の山のてっぺんには社があるという話を聞いた。
戦後しばらくは、部落の何人かで管理されていて、参拝者も結構いたと言うが、
今の山は、下草刈りも、枝打ちも、間伐も行われていないので山道が埋もれてしまったのだ
そうだ。ずっとここに住んでいるはずのおばちゃんが、それを知らない事にも驚いた。


生活スタイルや栽培方法が変化するにつれ、地域の古来からのならわしも、少しずつ姿を
消していく。今のこの状況も、いずれ昔話になるのだろうか。


「昔はね、薬をいーっぱい使って、石油どんどん燃やして作物を作ってたんだよ。」


なんて、子供に話したら驚かれる日が来るのかもしれない。
それでも、あぜばたで立ち話をする風習だけは変わらない気がしている。

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コメント(2)

ご無沙汰しております!
H労組の芦野です(^^)/
OB会のご案内送りたいので住所
教えてくださ~い!
よろ~

ども、業務連絡ありがとうございます。って、本文読んでますか~?

住所、来月に入るとまた変わってしまいそうですが、とりあえず現住所を
メールしておきますね。引っ越したらまたすぐ連絡しまっす。

ぐりんぼうさん (固有名詞出したくないのであえてこの名で) にもよろしく。