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どうにかしようと思えばね、出来るんだけど

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よそ様の設備を借りて籾摺り。
とりあえず、事前に出来る事は済ませておいたが、万石式の古い籾摺り機のため、イマイチ
勝手は分からず。
 
20160905_172850.jpg
 
そして・・・極端に能率が悪い。調子が良くて一時間に2~3俵出せればマシ。脱ぷ率も小さく
戻りモミの量が異様に多いのも気になる。選別もイマイチしっかり出来ていないようだ。
もともとここまで低性能な訳もないだろうが、どうも機械全体のへたり具合がヤバい。
乾燥までは調子が良かったが、これはとんだ食わせ物だった。
それにしても、万石式の籾摺り機自体が殆どいなくなった昨今にあって、コイツは比較的新しい
ものなのだろうか。選別部がマイコン制御である。これはは初めて見た。 扱いには異様な
熟練を要する相手なので、別に使いたくないのだが。目の前にあるのはコイツだけ。ああ・・・。

更に、動かしてみると詰まりやすい。その原因はスロワーのゴムが劣化していたため。
 
20160905_172954.jpg
 
これは、選別しきれなかったモミを張りこみ口に戻す部分のゴム。
作業中に、ゴムの破片が機械の中を循環しているのに気づき、止めてバラしてみたらこの有り様。
まあ、運転前にここのクリアランス調整をしている時にヤバそうだなとは思っていたが。手持ちの
材料が見当たらなかったのでスルーしておいた。それで案の定。
とりあえず、軽トラの荷台マットを切り取って修理。それで最後まで乗り切る。
古い機械は、いちいち純正部品を使って修理しようなどと思わず、匙加減で直したほうが良い。
大体、コレの部品なんてもう出ないだろう。
ラセンの消耗はともかく、全てのスロワーゴムを更新したら少しは能率も改善するだろうか・・・。
全部荷台マットで更新するとか、正気の沙汰じゃないな。

 
 
さて、刷り上がった玄米の状態はどんなものか。 
 
20160905_172937.jpg
 
必死に選別が良くなるよう試行錯誤を繰り返した上でのこれは絶句するレベル。
持ち主によると、これでもモミの混入は少ないとのこと。なんのこっちゃ。
玄米で販売する機会が多い私としては、これでは話にならないのですが。
 
なんともまぁ、乾燥も籾摺りも自分の都合でどうにか出来る作業ではなくなったので仕方がないが
これは新規就農初年度の再来ではないか。
昔に一度経験したような事を、再びトレースすることの辛さときたら、いや、やるせなさときたら
なんと表現したものだろうか。しかも、それは予想可能で回避不可能なのである。
 
それでも、悪あがきだけはする性分。持ち主が見ていないうちに、どんどん籾摺り機の
セッティングを詰め続け(他人が見たら異常と思われるような設定値に)つつ、モミの投入量も
調整し続けた結果、殆どモミの混入が無くなるまでに詰めることが出来た。肌ズレも少ない。
しかし、モミ混入が問題にならないレベルのものは最後に出したニ俵だけで、あとは写真の
レベル。玄米の排出量的にはほぼ変化無しなのが惜しいが、贅沢は言えない。
あとは、四段ある選別網の角度調整が上手に出来るようになれれば良いが、これが一番
経験と勘が必要そうな部分。上手になるまで鍛練したいものだが、その前に機械が潰れそう。

脱ぷ率が良くない主原因は、中央が窪んでいる上にボコボコに異常摩耗した籾摺りロール及び
その間隙調整の難しさだったようだ。ロール軸のベアリングと、ギアボックス自体もだいぶ
ガタがきていたので、推奨設定値に調整しようとしてもほぼ無理。そんな場合は、いっそもう
ロール同士が接触するまで間隙を詰めてから1~2ノッチ戻しくらいにしてしまった方が良かった。
そのほうが、ロール自体がが軸の倒れ方向に暴れた際の変位量が小さくなるのである。
模式図も写真もなくて申し訳ないが、少し詳しく説明すると接触せんばかりのロールにモミが
噛んだ際、バックラッシ(ガタ)によって、両ロールが外側に逃げることを考慮し、その隙間が、
本来の間隙量になるように考えた結果、それが正解だったというか、そんなところ。

尚、余談になるがロール駆動ギア自体の摩耗も相当進んでいる件に関し、それによりモミ投入
時の軸の回転方向の速度変化が大きくなる(負荷が入るとドリブン側が逆回転方向に一瞬
逃げてから正転に戻る)。このバックラッシュが過大により、脱ぷが不安定になるのを改善する
には、ギア自体を交換する以外に対応方法が無い。従って、その場での対応など不可能。
死ぬほど固いオイルを入れたところで大した効果も無さそうだ。
よって、忘れがちなギアボックスの点検は普段から行いたいところ。ここのオイルが減ったり
酷く劣化することによって、運転時にゴトゴトと異音を発している籾摺り機は割と多い。
それらは、ロール部に大きな異物を噛みこむと、ガッツンというような大きな衝撃音を放つので
作業してみれば、おおよそその機械がどのような状態か把握出来る。

しっかりとメンテを行っている機械であってこそ、作業精度の維持向上が可能なのは言うまでも
ない。そして、くたびれ果てた機械にいくらメンテを行ったとしても、現状におけるギリギリの
性能を一時的に叩き出すのが関の山で、どう足掻いてもメーカーの設計した性能には戻らない。
従って、後者に時間を割くのは酷く非効率かつ後ろ向きな事でもあるというのを良く知っておく
べし。うん。みなさん、やつれた機械なんぞ拾ってこないようにしましょうね。
でないと、私のように苦労する羽目になりますよ。

閑話休題。ロールの異常摩耗は、おそらく軸方向の倒れ方向のガタに起因するものと、間隙が
過大になり、再循環するモミ/玄米が増えたことにより、投入口の中央部付近にそれらが
集中した結果だと思われる。常に適正クリアランスで運転する習慣がれば、恐らくは防げた
はずの事象である。


ところで、選別の甘くなってしまったそれらを玄米として出荷する際には、循環式の精米器の
中に玄米を入れてを無圧迫で数分間の処理を行うか、肌ズレ上等で、籾摺り機の中に再度
ブチ込むかしなければならない。また面倒が増えるが、それはそれで以前に身に着いた知恵で
乗り切れるのがまあ幸と納得することにしよう。
 
それと、この作業場の持ち主の方、来年は田んぼを止めるそう。この作業場にあるものは
好きなように使っていいと言われた。何かもっと良い籾摺り機を探してきなさいとも言われた。
それはそれで手放しでは喜べない。止める理由は身体の具合が良くないためなので、本当は
続けて欲しいともなかなか言えないのだ。
ただただ、それでも有り難い話であること自体は間違いない。
今度、しっかりお礼をしておこう。

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