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売るのなら、需要のある場所で

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なんというか、まあタイトルの通りである。


妻が育てているのは、普通の夏野菜から、少し変わった珍しい野菜類・そしてエディブルフラワー。
欲しがる人は割といるものだが、いかんせん、ここのような田舎ではなかなか売り先がない事も。

それをどう打開すべきか、ボヤーッと思案していたのは六月の頭ころだったろうか。
そうしたら、都内でパン屋を営んでいる知人から、店の前で出店してみないかという打診。
これは願ってもない話なので、七月の頭と末で、二度ほど店頭販売へ出かけてきた。
 
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一回目は、テント無しで臨んだが、暑さで野菜も自らも消耗。二度目はこのような販売形態に。
それでも、日中ずっと売り続けると一部の葉物野菜は流石に痛みが進み、販売不能に。
実物野菜は、しっかり持ち堪えてくれた。
 
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気になる売上げだが、パン屋さんから積極的にお客さんへの告知がされていたお陰もあり、
初回・今回ともに順調。様子見で行った初回は午前中で殆どの野菜を売り切ってしまう程
だっただけに、二度目は流石に販売品目を増やす。自前の野菜でだけでなく、近所で障がい
者の働き先のためにと農業を行っている団体(販売に苦戦しているらしい)のきくらげやブルー
ベリーも並べてみたが、どれもコンスタントに売る事が出来た。それでも、全量を売るという事は
難しいのだが、十分すぎる手応えと言ってよいだろう。
 
二度行った上での結論は、

ここで野菜を買い求めていかれる方は、いわゆる朝市や直売所の客層と、根本的に違う。
食に熱心で、研究と向上心の非常に高い天然酵母パン屋さんのお客様とは、すなわち
比較的、食べ物に関心・意識の高い方々なのだ。
故に、ここで、足を止めてくれる片と充分に会話が出来ることも嬉しい。
無理矢理説明しようとせずとも、向こうからどんどん質問が来る。

そして、売ったそばから反応が戻ってくるということもしばしば。

・昼に食べたら美味しかったから、また買いに来た
・近所の料理屋さんにお土産で持っていったら、喜んで料理してくれ、それをこちらの差し入れに
・香りがすごくて、びっくりしてパン屋さんい報告の電話がかかってきたり

とにかく、このダイレクト感が驚くほどに有り難い。

話をしながら、調理方法や栽培方法などを説明しながら売るということも、この反応に少なからず
貢献していることだろう。これがどれだけ大切なのか、売れ方を見ていて再認識が出来る。
これ、安心・安全とかそういった感覚を大事にとか言われている昨今にあって、そのために
一番大切なことなのではないかと思うのだが。実際はいかがなものだろうか?

そうそう、それだったらよくあるマルシェでも客層は似通っているのではないかと思われる方も
いるかもいれない。ところが、仮にそうであったとしても傾向は異なるものになるようだ。

人の入りが多い大きなマルシェだと、勿論食に関心のある人は大勢来る。しかし、出店も多いと
販売品目が被ることもしばしば。野菜でも、有機野菜・減農薬・自然栽培など、様々なものが
入り乱れてしまい、お客がバラけてしまう。どれが自分の求めている農産物なのかを判断
できるのは一部の常連か、余程意識の高い人。これがきつい。
そして、出店は、我々のような小規模農家から、仕入れ販売を行う業者まで色々。
農家だと、販売品目で八百屋には到底勝てない。向こうは仕入れたものを売るのだから必死。
普段から客商売を日常的に行っている相手が隣のブースにいたりすると、こちらの旗色は悪い
なんてものではなくなる。捕まえたい人をなかなか捕まえられないのだ。そして、関心を持って
もえたとしても『あら、さっき買っちゃったわ。』で終わりなんてこともザラ。
そう、場合によっては農家直販の良さをスポイルされてしまうのだ。

それでも、出店し続けて固定客や個人宅向け出荷のお客さんを徐々に増やすのが、正攻法
とも言えるが、前日から準備をして、農作業を放り出して都内まで1日jかけて往復。その中で
交通費・燃料費・人件費をペイするのは、それなりに困難なこと。
我々は、それをやりたくても、赤を出し続けてながら何年も粘るだけの基礎体力が無い。
無理すれば出来なくもないが、そりゃあリスクはあまり負いたくない。
 
そんな中で、出店の声をかけていただけたこと。これはもう、ひたすら感謝する他にない。
結局のところ、野菜やコメ作りの努力だけでなく、これまでの人間関係に最も支えられている。

自分達の仕事を担保してくれているのは、やっぱり人。自らの実力だと思うのならそれは勘違い。

そして、ここにいらっしゃるのは自分のお客様ではなく、パン屋さんのお客様。
ここまでの結果にあまり気を良くせず、今後もここで出店するにあたっては、パン屋さんにも、
そのお客様にも利のあるよう意識を引き締め直しておこう。そうでなければ、とても続くまい。

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