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非常識農法かくありき

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取り放題のモミガラ砂漠も、流石にもうおしまい。それでも、いい感じに堆肥化したような
ものも手に入るため、敢えて取りにいく。それはそれで、畑に突っ込むのに都合が良いのだ。
顔見知りになったおじさんと、少し世間話。育苗ハウスでトマトを育てているのは趣味だとか、
なんで半腐りのすくも(モミガラ)が良いのかなど。
 
おじさんが、仕事終わりだと言って帰ったあと、モミガラを詰めながら、ふと水辺の方へ目を
やると、気になるものが生えている。

モミガラ100%の大地で、堂々と育つ独り生えのイネども。
  
20160723_174546.jpg
  
このモミガラ砂漠、そもそも田んぼ一枚を有り余るモミガラで埋め尽くして出来ている。
モミガラの捨て場が無いので、豪快に田んぼ一枚をそのために潰したと言えば良いだろうか。
つまり、ここに生えているイネというのは、完璧なるモミガラ培地に育つ稀有な存在。
田んぼの土自体は30cmからなるモミガラ層に完全に被服されている。
そして、田んぼのが露出するまで手で掘り下げてみても、土を被服しているモミガラ自体は
さして分解が進んでいる様子もない。

モミガラのC/N比は非常に高く、分解も遅い。即効性のある肥料効果も期待は出来ない。
そして、水田の土もこんな状態になる位だから、当然無施肥。乾きもしないので乾土効果も
期待は出来まい。

なのに、この生育の良さ。
 
20160723_174604.jpg

何の品種かは知らないが、葉っぱ/葉脈の厚みは、これまでに見たことが無いほどのもの。
有効分けつは、一株あたり20本以上。穂の長さは20cm以上で着粒数は120粒/穂 前後
そりゃまあ、こぼれ種が勝手にはえてきたのだから栽植密度が低いので大株になるのは当然。
けれども、これだけの生育を見せ付けられると、自分が今まで一体何をしてきたのだろうと
感じるのは無理もなくなる。

しばらく、呆気にとられたように関心していたが、こうなってくるとイネの地下部も気になってくる。

 
試しに一本引き抜いてみると、ご覧の通り。
 
20160723_174941-1.jpg
 
見事なまでに白い根っこがびっしり。
引っ張ってずぼっと抜いたので、細根がどうなっているのかまでは確認していないが、これは
申し分のない白さ。粘土質で、鉄分の多い土壌では、石灰や苦土でどんなに酸度矯正をしよう
とも、ここまでの白さになる事は無い。茶色い根っこは、酸化鉄の被服で覆われており、ガスの
害を緩和する働きはあるものの、効率的に養分を吸収することは出来ない。よって、水田土壌
中には、出来るだけ未分解の有機物を少なくして、ガスの発生を抑制しつつ、中性に近くすると
良いとされている。その為に、田面を良く乾かして地温が高いうちに耕起したり、窒素の多い資材
を施して有機物の分解を促しなさいという話になるのだが・・・。もしもこのような栽培が出来る
のなら、そんな努力も不要になるのではなかろうか。

モミガラが折り重なっているのなら、それは通常の土壌よりも通気性が良いはずだ。そして、
モミガラ自体は吸水性・水分保持能力も高い。となると、根っこにとって、この上なく良い環境で
あることは疑いようが無い。
 
しかし、モミガラ自体の肥効はそんなに多くはないとされること、これはこの事象に照らし
合わせてどう解釈したものか。
何かの本に、イネはアミノ酸の吸収能力が高いと書かれていた。仮にその能力主体で生育が
進むとするならば、その由来はなんだろう?
分解途上のモミガラから放出されるもの、若しくはモミガラに若干付着しているであろうヌカ成分
・・・これらを効率良く吸収しているのではないかと仮説を立てておこう。検証しようにも自分の
力だけでは簡単に出来る事ではない事を断っておくが。

 
ついでに、モミガラで埋まっていないもともとの水田部分の様子。
草が全く生えていない。
 
20160723_174850.jpg
 
わざわざ、何も作付ていないようなところに除草剤を散布する酔狂な輩もそうはいない。
じゃあ、何で草が生えていないんだ?もしかして、モミガラ層がジワジワ分解されるに伴って
放出される有機酸が、田面水にずっと溶け込み続けていたりしないだろうか?
因みに、水深はそんなに深くないにも関わらず、土の表層から真っ青になるほどに、還元が
発達していた。作土を掬ってみると、感触はザラザラしており、中からは、黒っぽくなったモミガラ
が結構な割合で出てきた。
  
 
で、これを目の当たりにしてみて言える事は・・・
この栽培方法を実践してみたい。これに尽きる。
いや、そんなにモミガラ用意できない。仮に一反だけでも出来たとしても、この量をは余りにも
非常識なものでしかない。
とにかく、やはりモミガラは邪魔者扱いせずに、生のままでも良いから極力田んぼに戻した方が
良い資材であることは間違いない。

なんとまあ、ここにモミガラを捨てている人は、これに気づいているのだろうか・・・。
まあ、100町分以上耕作しているとなれば、判っていてもモミガラのためにそんなに労力を
割く訳にはゆかないのかもしれないけれど。こんなに観察し甲斐のある生育もそうそうある
ものでは無かろうに。

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