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いったい何を防除すべきか。

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『あんちゃんはよぉ、今年空散やんねえのか?』

言わずもがな。この時期の田んぼはラジコンヘリによるカメムシ害とイモチ病予防薬薬剤の
散布が日本中で見られる。で、農薬不使用の自分は別にやる必要もない。というかやれない。

『ああ?うっせえな。やる訳なかっぺえ。』

とでも返せればいいのだが、面倒なことにそういう訳にもいかない。
無農薬でお客さんがついてるから出来ないと返すのがせいぜい。
しかし、地域と人によっては、その程度の説明だと納得してくれない。そして断ると物言いがつく。

・アンタの田んぼに虫があ逃げ込んで集まるから、その後また周囲に広がる。

とか

・こういうのは、いっぺんに全体で防除しないと効果が薄くなる。

とか

・やっておけば、周囲に波風が立たないで済むからやっておけ。

など、うるさいい地域だと、とにかくやれやれと騒がしい。というか、根拠のあるのか無いのか
良く分からない理由をつけて頭ごなしに対応することを半ば強制されることもある。
(やらない人に寛容な地域も割とあるものだが)
無論、害虫の生態や予察状況を基にして考えられている防除なので、その必要性自体は
理解出来る。だから余計に頑として突っぱねにくい。突っぱねると地域での人間関係も
こじれやすい。

ところで、こういうケースは空中散布の意味合いが、もはや祭りや寄合いなどと同じ地域の
行事に置き換わっている。意味不明なまでに不条理だが、それが現実だ。これをいきなり
理解できる余所者はまずいないと考えて良い。だから拒絶してトラブルが起きる。
だから、自分も空中散布を行うというのは即ち、人的トラブル防除でもある訳だ。ついでに、
もし空中散布自体は出来なくても、地域で空中散布に関して手伝えることがあれば、協力
するという姿勢を見せておき、実際に手伝いをするのも、トラブル回避にはかなり有効な
手段であることも付け加えておこう。
 
しかし、こちらが出来ない理由もさることながら、仮に自分もイネの慣行栽培を行っていたとしても
やりたくないもう一つの理由がある。それは・・・

空中散布を行っても、秋になるとみんな結局カメムシにどれくらいやられたという話ばかりして
いるのは一体どういう事なのだろうか。やってもやらなくても被害が出るのなら、やりたくないに
決まっているだろう。
多少は効果があるのかもしれないが、やること自体がリターンの少ない博打みたいなものでは
全く仕方がないと思う訳である。だったら自分なりに効果のありそうな防除方法を考えて
実践するほうが面白いではないか。

しかしまあ、今年の県の予察状況を見てみると、カメムシ類の発生は例年よりもだいぶ多目。
一応、何かしておくとするか。空散はやらないけれど、背負い動噴で田んぼに何か散布して
いれば、どっかの婿のあんちゃんなりに何か対応しているのだなというパフォーマンスにも
なるし。こうした上で、周囲の草刈りを引き続き徹底しておけばやっておけば、必要以上に
周囲の方々から後ろ指を差さされる事もないだろう。極端な話パフォーマンス目的ならば、
単なる水を散布したって構わないとさえ思う。不毛過ぎるので、そんな後ろ向きの努力は
したくも無いが。


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散布したのは、400~500倍程度に希釈した農業用にがり。殺虫効果はゼロだ。
早稲の穂も出始めたし、少しはイネの活力維持と食味の向上に結び付きそうでもある。
むしろそれが主な目的であって、カメムシがどうとかは、実はあんまり考えていない。
苦土の効いた植物体は、害虫抵抗性が高くなる傾向があるので、副次的に被害軽減効果は
あるかもしれないが。同時に、灌漑水にも数リットルのにがりを混ぜて田に流し込んだ。

当然だがコレ、傍目にどう考えても農薬を撒いているようにしか見えない。
やったらやったで、『無農薬栽培じゃねえのに無農薬で売っている。』などと陰口を叩かれる
かもしれないと思うことしきり。

行き会う人には、何を使っているのか説明しておいたほうが良いかもしれないが・・・
そんなもん効かないと言われるのが関の山だろうか。
保守的な農村で、余所と異なることをしていると、説明と誤解というジレンマからは逃れられない。
それでも出来るだけ人と話をするのは、【単に変わっているだけで、無害な奴】という認識を
周囲に植え付けなければ、どうにもこうにも暮らしづらくて仕方がなくなるからだ。
 

変わったことなんてのはね、ずっとやってりゃあそのうちその事に関しては周りも何も言って
こなくなるもんだ。それでも、普段から世間話を出来る間柄だってんなら、そこに居ていいって
ことでしょ?もし誰も挨拶も会話もしてくれなくなったら、そりゃあ貴方が我を張り過ぎなんで
しょう。疎まれてたら、さぞかし居心地も悪いことでしょう。
 
余所から入ってきた人は、いきなり周囲を敵に回さないよう、それなりの努力だって必要。
面倒くさいかもしれないけど、それが出来ないと長続きしないし、まあ頑張って。
自分なりの工夫を、配慮を伝えてみてください。

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