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まずは、使いやすいものを

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行けども行けども渇いた砂漠・・・とかそういう光景ではなく、これはモミガラ。
とある大規模経営法人にて。高さにして3m以上、積まれている面積は一反部はあろうか。
それでも、一年分どころか数か月ぶんの量だという。

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規模に関わらず、稲作を営んでいるところで邪魔もの扱いされていることが多く、取りに行くと

『全部持ってっていい。』
『とにかく助かる』

と言われることばかり。
燻炭を育苗に使ったり、田んぼに撒いたり、生のままでも暗渠に入れたり、畑へ鋤きこんだり
、堆肥の材料に、鶏小屋の敷物にと、本来は使い道に困らない万能資材のはずなのだが、
どうも扱いが酷い。時には廃棄物処理費を払って引き取ってもらっているという所さえある。
 

【資源を大切にしなさい』 と、叩き込まれた身としては、こんなに良い物を放っておける筈は無い。
夕方になって、作業が落ち着いたら、軽トラでこれを回収しに出かけてゆき、燻炭を焼いたり
堆肥場に積んだりするのが日課になりつつある。
既に何トン運んできたかは判然としなくなってきたが、使いきれなくて困るということもなく
順調に田畑にブチ込んでいる。多少多めに入ったとしても、いわゆる三要素の肥料分は皆無
なので、あまり気にすることも無い。
 
じゃあ、何の効果があるのかというと、これもまた色々言われている。

・土壌物性の改善
・土壌PH(酸度を中性寄りに調整)
・微生物増加
・ケイ酸の補給
・水田から発生するメタンガスの抑制
・植樹の際の、活着/生育促進作用
 
良い事づくめのような資材だが、どうも文献を漁ってみても、これを多量投入したからといって
劇的に終了や成長が改善したという論文が見つからない。例外的にタマネギやイチゴが
良く育つという話はあるものの、過剰な期待をすべき資材ではない。
けれども、冒頭に述べたように、自分にとって確実に使い道はある。

また、悪さをするという話も殆ど無いが、C/N比は、生のモミガラは多量に土中に突っ込んだら
チッソ飢餓を起こしかねないような数字だし、可溶態のケイ酸含量も、ケイカル資材などには
遠く及ばない程度だったりと何か一般的な肥料や農業資材をこれで置き換えられるというもの
も見当たらない。なんとも不思議なものだ。
そんな理屈では、その辺の石などと変わらないように思えるが、農家はこぞって燻炭は良い
ものだと言う。では、何故に使わないのか・・・。

要するに、使い続けてどうなるかという話であって、使用してすぐに目に見える効果が現れ
なければ、わざわざ面倒な事をしてまで資材化する必要はない。という判断ではなかろうか。
そんなもの〇〇を買ってきたほうが手間も省けて経費も安い。

これは、化学肥料が普及するにつれて、ワラなどの有機物を様々な手法で農地に還元
するという考えが薄れて行った流れにやっぱり当てはまるのではないか。
別にモミガラが無くても作物は作れるし。という話になると、面倒な作業を排除出来る。
堆肥にしても自分で作らなくても、今やいくらでもその辺りの畜産農家から格安で手配出来る。

だとしても、だ。ここでそれらを立ち止まって考えよう。

この国で、リン鉱石は採れない。
家畜の排泄物は、主に何処由来のエサだったのか。 

本当に物質は局地で循環しているのか。実は農地は海外を含めた遥か遠方からの有機物で
溢れ、時には体の良いゴミ捨て場にされていないか。
農業利用という名目で、土壌や地下水、河川など周辺環境や生態をおびやかしたりはし
ていないか。

そのような観点から考えると、モミガラは極めて環境負荷も少なく、地域で循環させやすい
資源足りうることが見えてくる。なにしろ、成分が炭素とケイ素ばかりで、家畜糞尿などとは
根本的に中身が異なる。炭素は空中の二酸化炭素由来で、ケイ素は主に土中のものだろう。

モミガラは、東洋医学を学んだ療法士の処方する体質改善用の漢方薬の特性に似ている。
土が人体で、モミガラが漢方薬だ。何年も使い続けることに意味がある。

田畑を肥やす礎としてこれがありそうだと直感的に感じることもあり、今更だがこれを確実に
使いこなした上で、様々な有機物資材を自作してゆこうと思う。

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