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#564 愚痴と土

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ギリギリまで土を乾かしていたいが、代かきを進めない訳にはいかない。
ここまで、あまり気温が上がらない日が多かったせいで、どこまで乾土効果が
出ているかは判らない。同時に重要なのは有機物の分解が進んでいるか。

乾土効果が出ていれば、初期生育に必要なチッソをある程度確保出来、投入する
肥料も節約出来る。自分の栽培方法は、例外を除いては化成肥料を使用しないため
有機物主体の肥料構成となる。これらは効果が出始めてから肥効が切れるまでの
見極めが通常の化成肥料よりも難しく、水田の条件によって調整もシビアになる。
同時に、土中の未分解有機物が多い状態で湛水した水田に施用した場合は、水中の
溶存酸素を著しく減少させたり、ガス湧きを助長する方向に働くため、雑草(特に
コナギ)の発生を促したり、イネの根に害を与えて生育を鈍らせたりする方向に
働いてしまう。肥料だって入れれば良いというものではない。また、本来田んぼに
蓄えられている有機物の分解を進ませ、有効に利用するには、状況によって苦土や
石灰、ケイカルなどを入れる必要もある。

冬期湛水や、無肥料栽培、自然農などの信奉者からは邪道扱いされたり、全く不要
とまで言われるような資材も、個人的な経験からすると投入しなければならない。
どんな農法であれ、実践する田畑の地力、排水の条件、日照、土地の気候などに
よって、本に書いてあることをそのまま実行しても同じ結果にならない。
例えば、常時田面下に適度な透水のある、又は地下排水システムの完備された
水田で冬季湛水栽培をするのと、泥炭地や止水域の沼沢地を水田風に均してイネを
植えるというのでは話が根本的に違う。後者にイネを植えてもまともな収量は望め
ない。見た目の条件が似ていても、植物の生態的に合致したものでないのである。

究極の目標は、全くの無肥料栽培で反収十俵でも構わないが、今ここにある環境と
資材でどうやって明日の生活を維持するか考えて進めてゆかなければ、のたれ死に
が待っている。メディアで取り沙汰されている大先輩の方々のように、首をくくる
覚悟で出来る根性は、どうやら自分にはないらしい。

冬期湛水ですか、不耕起ですか、やってみたいんですけどね。冬に水を張ってると
隣の田んぼからクレームが来て地域から弾かれるんです。それに、ムチャクチャ
深くて乾かない、コンバインが入るか入らないかというような田んぼで年中水を
溜めっぱなしにしたらえらいことになりませんか?不耕起にしても専用田植え機が
手に入りませんしねぇ。うちの田んぼは田面の沈下が激しくて、毎年耕起して、
代かきの際に土を高いところから低いところへ引っ張っていかないといけないん
ですが、それって耕さないと無理だと思うんですよ。耕起せずに、ブルドーザーで
土を寄せたらいいかもしれませんが、それで不耕起って言い張るのはおかしな話で
しょう。私ゃあ、そんなに面の皮が厚くありませんよ。

消費者の描く理想の農産物と現場というのは、ニッチな有機や自然農の分野に
あっても乖離してゆく一方な気がする。素晴らしい農法だって出来る地域と
出来ない地域があること、それを行う上での弊害というものだって、消費者に
伝えるべきではないのだろうか。中途半端に良いことだけを伝えるのがメディアの
仕事ではあるまいに。もう嫌になって

『そんなものが食いたけりゃ自分で育てろ。』

と、言いたい生産者さん、結構いるのではないか。でも、自分でやると言った
人が現れたとしても、耕作の環境を提供する事が出来る人というのはまだまだ
少ない。何もかもが偏っている。それを実感出来るのは、恐らく実践のフィールド
のみなのだが・・・。
 
 
 
さて、ムチャクチャ前置きが長くなってしまったが、本日は荒代かき・・・というか
田面均し作業。
 


毎年だもんなぁ.JPG
 
魔の田んぼも、毎年均し続けてきた甲斐あってか、どうにかこうにか少しは
普通な田んぼの体裁を持ち始めた。この下段は相変わらず地獄につき、今年は
圃場内の排水溝を残したまま乾かして地固めを行うことにして減反に充てる。
湿田につき転作はせず。荒起こしと草刈りは続行。個別所得保障は付随作業の
手間賃と考えよう。と、言ってもまともに栽培出来るのなら補助金は不要。
補助金ありきの農業など業態として成立しない。それ目的の転作や設備投資は
慎むべし。

 
 
毎年、角材を自分で引っ張っていたが、作付け面積が増えて対応しきれなく
なってきていたので、ロータリーと同じ幅の五寸角の木材をトラクタに引かせる。
これで、だいぶ作業が楽になった。

湿田につき耕盤はガタガタ.JPG
 
トラクタの傾きを見ても判るが、この田んぼは水の湧くスポットがあるために
田面が完全に乾燥せず、一部は耕盤が全く安定しない。耕す云々の話では無く
トラクタで入る度に耕盤はガタガタになってゆく。それでも、土をしっかり均して
おけば、ある程度のレベルまでは乾くようになるので、それ以降は、乾いた部分の
耕盤も浅い位置に再形成することが出来る。これはもう、来年以降への布石と
考えて諦め、入念に均平出しに全力を尽くす。同時に、この均平出しは、安定した
生育と水位管理に欠かせない。同時にそれは、前回・前々回に書いたようないい
加減な田んぼを反面教師としたものとも言える。
 
 
角材は、トラクタに装着したまま運搬可能。 
 
こうすれば運搬もらくらく.JPG
 
排土板と、ゲージホイール(尾輪)の調整枠の間に挟み、ハンドルを回して
若干圧迫をかければ走行中にも落ちない。この標準ロータリーはゲージホイールを
装着していないのでこのように出来る。
(挟んでいる際は、排土板は動きが規制されるため、耕うん作業は行わない)

この角材があれば、ドライブハローを使用していなくても代かき時にトラクタの
轍が残ることも無い。ロータリーの爪先がほんの少しだけ土に食い込んでいれば
充分に均すことが出来る。土も引っ張ってこれる。ちょっと工夫するだけで、別に
ハローが無くてもキレイに田面を仕上げられるのだ。更に言うなら、角材よりも
ハシゴの方が土を沢山引っ張ってこれるので効果が高い。
牛馬若しくは人力による角材引きは、トラクタが普及するまでは全国で行われて
いた。トラクタと組み合わせれば効果が高いのは言わずもがなといったところか。
そもそも、【Toractor】と言うからにはやはり色々引っ張らせなければ勿体無い。

とかなんとか書いてるけど、新品同様のドライブハローも持っている。
いい加減使えば良いのに・・・。三年間出番は無い。
標準ロータリーの使い方が極まってくると、換装作業することの方が面倒になる。

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