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#562 気をつけろ 管理放棄の えせ田んぼ

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今年から、通い農で田んぼをやることになった知人から田起こしを頼まれた。
出来る限りは自力でやってもらっているものの、彼らにはまだちゃんとした道具は
無いので、こちらが出動となる。
 
トラクタに乗って出かけた先は近場とは言え、いつもの山あいの田んぼではなく
町寄りにある平べったい田んぼ。この日の田起こしは四反。


平場も町も同じかな.JPG
 
 
しかしまあ、条件のよろしくない田んぼというのは何処へ行っても同じと言うか
まあアレでである。ここまで出てきても、所詮は私とも関わりの深い、誰かさんが
ほったらかしにしていた田んぼをやらなくてはならないのは何とかならないものか。

 
広い田んぼでも、誰かさんは相変わらず均平出しを怠けていてくれた。
トラクタのキャビンの中で、『いつもと同じじゃねえか』などと一人で毒づく。
水を張って、代かきを行う段階で地獄を見るのは避けられなさそうだ。

いつもと同じじゃねえか.JPG
 
でも、トラクタがまともに走れて、一応は耕せるのならまだ大したことは無い。
三反の田んぼを起こし終えて、次に作業したのは、一反に満たない小さな田んぼ。
ここは誰かさんが、何年か前に耕作をうっちゃっていた所。これを焼き払い、畦の
草を刈り取って一応復元しようと知人がたは考えたようだが、一筋縄ではいかない。

 
いい加減にしてくれよ、誰かさん.JPG
 
まったく、クソ田んぼの見本のような場所だ。
用水は田んぼ両サイドに通っているが、全くもって掘られていないので、田面との落差
が殆ど無いために、とにかく地面が緩い。湿地に生える雑草が根深く田んぼ全体を覆い
一度耕した程度では、耕作可能な状態まで復元できない。そして、例によって田面の
高低差が酷い。土が高くなっていて、しかもぬかるような条件では、どんな機械を
持って来ても必ず潜って、下手をすると身動きが取れなくなる。ここで普通に旋回
しようとして、トラクタを落としかけた。
 
湿田でも、田面の高低差をしっかりと出してやれば、深いとは言ってもある程度は
普通に作業が出来るようになる(耕盤が出来ていない場合は無理)のだが、誰か
さんは、それを全くやらなかった。更にアゼの補修も怠っているにも関わらず、
栽培中は無理矢理に深く水を張って水深を稼いで誤魔化しているだけ。
結果、もともと条件の良くなかった田んぼは、数年のうちに田んぼ的な何かに化け、
尚も時間が経過すると見事なヤブとなる。それをまた私にやれと言うのか。
こうなってから、元に戻すのにどれだけ手間がかかるというんだ。それを行って
喜ぶのは、管理を押し付けた人と地主さんだけなのではあるまいか?
 
 
農業をここでやれってんですか?無茶を言いなさんな。ここ、田んぼじゃありませんよ。
ええ?元に戻したらお金でもくれるってんなら話は別ですけどね。
無理ですか。はあ、それじゃ詐欺じゃないですか。もういいです。さようなら。
 
 
農的生活志願者は、こういったトラップ水田に注意すべきだろう。
自分で米を育てたいとわざわざこの土地にやってきて、そんな所をあてがわれた人を
放っておけば、じきに誰も通ってはこなくなるし、増してや居着いてくれるはずは無い。
好意的に土地を回してくれる人は割とすぐ見つかるが、現在も耕作を行っている
人に農地を工面してもらうような場合、謀らずも条件の良くないところから回ってくる
こともある。条件が良くなくても、支援をしっかりしてくれるのなら、さして問題
にはならないけれども、私の場合など、率直に言うのなら、四年前に断崖絶壁の上で
投げっぱなしジャーマンを食らって今も尚空中を舞っているような気分である。

だから、似たような状況に陥りかけている人がいれば手助けせざるを得ない。

それでも少し嬉しいのは、これまでの四年半の間、一人で格闘してきた問題について、
新たにここを訪れた人たちと共有出来た事だ。これから先、そんなささやかな喜びの
一つでもなければとてもとても続けられまい。

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