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#530 結果どうあれ

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尚も稲刈りが続く。残っているのは棚田の一番下。ここのところ徹底的に溝を
掘って更に要塞のような見た目になった田んぼである。もとより耕作条件としては
最低に近い田んぼだけあって、そこに天候不良が加わってはもうても足も出ない。
雨は相変わらず3~4日おきにまとまって降り、9月の中旬に落水して以降も常に
土の水分は飽和状態。立派な溝を散々掘ってみたところで全く乾くことは無かった。
そんなこんなで、機械が入れぬまま十月も終盤。もう日も短く気温も低く、晴天が
続いたところでそうそうコンバインで稲刈りが出来る見込みも無い。
従って、ここは全面手刈りを慣行せざるを得ない。面積は、一反7畝程度か。
田の中は、昨日の雨の影響もあり、どこを歩いてもくるぶしより上まで埋まるような
状況だが、だからといってこれ以上手をこまねいていては、折角のモチ米が鳥のエサに
なるだけだ。

あと2/3だ.JPG
 
そんな悪条件ではあるが、毎年応援に来てくれているユキヒロと一緒に作業した結果、
一日で1/3を刈ることが出来た。悪条件の場合、作業慣れした助っ人がいてくれる
ほどほど心強いものは無い。ここからは単独作業になるが、なに、やっていれば
そのうち終わるだろう。終わればいいのだ、終われば。そもそも、これまでに散々
草刈りを行い、溝を掘り続けてきたような根性があるのだから、数日間手で稲を刈り
脱穀を行うというのが出来ない筈が無い。出来ればやりたくないことばかりだったが、
とにかくそれら作業を続けてきた仕上げに相応しい最後の課題である。

だが・・・収穫そのものは、これまでの努力も報われなかったようだ。
イネが立派な株に生長していて、分けつも穂もそれなりにある区間でも、シイナ
(不稔実=中身が入っていない)モミがやたら多い。モミ全体の1/3強はシイナに
なっているかもしれない。

シイナ多すぎる.JPG
 
恐らく、穂が出てきて花が咲いていた時期に気温が極端に低下した、あるいは台風など
強風の影響を受けたと思われる。今日収穫した量から計算すると、田んぼ全体で、
4~5俵いけばマシという感じ。実に反収二俵以下という想像を絶する世界である。
まだ残りの作業があるというのに、この徒労感ときたらハンパで無い。日照・水・草
・気象・排水不良・・全てに翻弄されながらなんとか耕作をしたが結果がこうなら受け
容れるより外もなし。でも本音を言うなら、ここで跪いて涙を流したい。

普通、農家というものはどのように安定して多収穫をするかということを常に
考えている。だが、それは、ある程度しっかりした耕作基盤と設備があってこその話。
自分が受け持っている田んぼなどはその水準に全く達していないところばかり。
耕作を始めて四シーズンが過ぎたが、状況が改善する兆しは特に見えない。
身についたのは、通常では必要とされないような裏ワザばかりで、全く一般的な耕作者
とは相容れない性質のいわゆる農業とは別次元のスキル。


そんな私の事を、世間の方々はアホな奴だと思うだろうか。
金もないのにいつも慈善事業をしているお人好しだと思うだろうか。
それとも、ただ趣味で田んぼをやっている道楽者だとか。
日常生活がサバイバルみたい?余計なお世話だこの野郎。
 

だが、そう見えても仕方はなかろう。ただ、そんな風に思われることが本人にとって
何より苦しく、そして悔しくて仕方が無い。ならば、『なんでやってるの?』と、
尋ねたい読者も大勢いるかもしれない。そこで、この際あらためて表明しておくが、
自分はこの国の中山間地農業の行く末を、この目で、実践の場を通して見届けて
ゆきたいだけだ。
 

それでも、それを知ってか知らずか、こんな奴を応援してくれる人、慕ってくれる人、
心配してくれる人に自分は支えられて生きてこれたのだ。だったら、結果どうこうより
も自分で始めた事を投げだしたらどんなに失礼な事か。

人、そして植えたイネに、色々と学ばせてくれた自然環境に対して無礼のない生き方を
するのも容易でないが、そうしなければ気が済まない性分にいつしかなってきていた
らしい。未だ出来ぬ事は多々あれど、その気持ちだけは常に持っていなければ直ぐに己を
見失う。そうなったら多分、何をしても面白くないだろうし、身近な幸せに気付くことも
無いまま、日々が無駄に過ぎてゆくだけだ。それが自分にとって何よりも恐ろしい事だと
素直に思うのだ。

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デカイ機械使っているんだね!日本は豊作祭りだな。

二条刈り17馬力のコンバインなんて、一番小さな部類の機械ですよ。
それにこちらは全然豊作じゃありません。少しは文面の意味を汲んでコメントを
していただけると、こんな風にカドの立つレスをつけなくて済むのですが・・・。

気を取り直して、稲刈りはあと一息で終わります。
ご声援ありがとうございます。