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#524 わかっちゃいるけど悪あがき

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空模様は、好転するどころかますます悪くなってゆく。
それでも、悪天候の隙を突いてなんとか4反ほど稲刈りを進めることが出来た。

しかし、例年ならばなんでもなく稲刈りの出来る田んぼが、今年は見事に悪夢を
見させてくれる。土曜日に刈った田んぼもその好例。

一歩操作を誤ると地獄が・・・.JPG
 
前進するか躊躇するような区間があったとて、気が付いたらもう遅い。バックしても
そこから下がる事が出来なくなっているのだ。そして、前進しようにも、機体は
ぬかるみの方に流されるばかりで、真っ直ぐ走ってゆかない。無理をさせても、ぬか
るみ側のクローラは空転するばかりで、深みは広がり、やがて身動きが取れなくなる。
普通はそこで詰み。埋没した周囲を掘り起こし、ラダー(アルミブリッジ)を突っ
込むか、ひどい場合はトラクタなりユンボなりを持ってきて牽引して引っ張り上げる
しかなくなる。今回は、自走不能に陥りかけたが、このコンバインにはクローラ
スライド(トレッド可変)機構が備わっていたので、微速前進状態にて、クローラを
外側に押し広げ、土手の比較的硬い土の部分にめり込ませることで、なんとか脱出に
成功した。無論、クローラスライドはそのような事のために用意された装備では無い。
本来ならばアゼのギリギリに植えられたイネや、中割り(圃場の一部を分断する形での
刈り方)など、飽くまでクローラでアゼやイネを踏み潰さないようにキレイに刈りたい
ような場合、あるいは幅に規制のある台車に積載する場合や、導線の幅の狭い圃場への
出入りなどに使用すべきものだ。我ながら、いつもムチャクチャな事ばかりやって
いると思うが、背に腹は代えられない。スタックが予想できるような区間は、わざと
刈らずにイネを踏み潰して足場を確保するくらい心を鬼にしなければ、この状況下で
稲刈りなど出来ない。だから、心の底からやりたくないのも察していただければと
思う訳だ。ここなど、なんとか稲刈りが行えたのだからまだ良いほうだ。

 
しかし、台風がやってくる前に片付けておかねばどうにもならない場所はまだある。
 
田んぼ全体だと心もとない.JPG

やそはち田んぼの刈り残し部分である。乾かない場所は、コンバインの通過も容易で
無い。コンパネによる橋渡しなど、田んぼの殆どがぬかるみのままという状態では
気休め程度のもの。今年のここは、まるで乾かずに、条件としては通常と正反対。
手刈りですら辛いというのに、コンバインを突っ込まざるを得ない。もう、相当な刈り
遅れ状態となっておりここに台風が来ようものなら、収穫の保障は無い。だが、一人で
手で刈るなどという悠長なことも行っている余裕は無い。ここでの収穫が減少しよう
ものなら、彼らの活動原資がなくなる事を意味する。ここまでの諸経費を肩代わりして
いる身としては、一蓮托生だ。なれば、やらずしてなんとなる。

少々大袈裟だが、もはや特攻機にでも乗ったような気分で稲刈りを試みる。突入する前に
深呼吸してみたところで、何も気は紛れない。

 
なんとか、最初のぬかるみの酷い区間は通過。このまま前進して、とにかく
以前脱穀を行った場所にあるワラの山まで向かう。ぬかるみの中で安易に進路変更を
行うと、即座にスタックする危険があるため、稲刈りを行いたい区間に対して迂回
するような経路を通らねばならない。 
 
方向転換の場所.JPG
 
ワラの山の上ならば、クローラの面圧が泥そのままの部分よりも分散されるため、
比較的容易に機体の向きを変えることが出来る。
 
そのまま、稲刈りを開始。
なんとか、刈り残し区間を一周することに成功。
 
前進なんとかバックとか無理.JPG 
 

だが、一周してきてたどり着いたところはまたしても泥濘。ここで方向転換なぞすれば
即死。辛うじてバックして更に二条を刈ることに成功するものの、やはり片側の足を
取られ、真っ直ぐバックすることが出来ない。機体の向きが変わっても直ぐに立て直す
わけには行かないので、泣く泣く一部のイネを踏み潰す。これを繰り返せば、相当の
損失が出る。回避しようにも、一度通った場所は深くえぐれ、恐らく二度とは通れない
だろう。すると、通り道は限られてくる。

 
 
やはり・・・これ以上、無理をしてコンバインでイネを刈る意味は無いな。とにかく、
ここから脱出できるのかも怪しいものだが、今はそうすべきだ。無念。
 

その後、なんとか田んぼから這い出る。入ってから、出るまでの間、冷や汗が止まらな
かった 。
 
台風だってのになぁ.JPG
 
コンバインは、そのままトレーラーで回送。今回は単に、圃場をデコボコに荒らした
だけの結果。刈れなかったイネを恨めしい気分のまま見つつ、黙ってご老体のトラクタ
に鞭を打つ。これならば、やらない方がマシだったかもしれない。抗えない事だった
とは頭で分かってはいても、ひとたび作業を始め、それがこのような首尾に終わって
しまうと、どうしても悔いが残る。
 
 
回送後は台風対策。吹っ飛ばされそうなものは片っ端から片付け、機械類は清掃して
カバーをかける。それでも、まだ雨は降ってこない。残った時間は何をするか。

頭を切り替えなければ.JPG
 
特に考える必要も無かった。稲刈りの済んだ田んぼで、比較的まともな地面だった
所へトラクターをかければ良い。
頭の切り替えは早く。出来るのにやらなかったとあっては、対応はどうしても後々、
ひいては来年までズレ込んでゆくのだ。

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