田舎日記ホーム >>> 田舎生活 >>> 新規就農者ブログ >>> #481 オーバーキル

#481 オーバーキル

| トラックバック(0)

朝、田んぼの見回りに出かけると、やそはち田んぼの水が無くなっていた。
昨日は一日中、かなりまとまった雨が降っていたため、ダムが決壊したのだろう。

み、水がねええ.JPG
 
大雨が降ると、こういった事がしばしば起こる。田んぼに水が溜まると喜んでばかりも
いられない。見回りの際は、必ずエンピと鋤簾を持ち歩く。それにしても、ダムは強固
に作りこんでいたつもりだったが、随分とあっさり崩れたものだ。 
 
 
このままではマズいので、早速補修。10分そこそこで修正完了。
  
今度補強してくださいね.JPG
 
崩れた箇所を観察すると、最初から深くに埋まっていた良く判らない塩ビパイプが
一緒に流れ出てしまっていた。察するに、このパイプの周囲から徐々に漏水が起こり
雨で水位が上がった際の水圧で一気にその穴が広がり決壊したのだろう。
決壊が起こったのは、土嚢と土嚢の隙間だけだったが、この土嚢の組み方でも
ともすると同じように漏水を発生させやすくなるので注意が必要である。
 
他も見回った結果、棚田でもモグラ穴二箇所を含む四箇所の漏水ポイントを確認。
雨が降ったのに、水位は殆ど変化していないどころか、減水している田んぼが二枚。
これらの応急処置を済ませて一事帰宅。

 
ところで、今日は先輩が管理することになった田んぼの田植え。
このように、週末稲作を行う人が訪れるのはもう日常になって久しい。
この方は整備士だし、これまで耕作の経験があるので作業は見ていて安心出来る。

この人の作業は見ていて安心.JPG
 
安心なので、基本的なことを伝えた後は、自分の作業を行っていた。 
田植えが済んだら、アゼ修正と肥料散布。
 
これ効くのかな.JPG
 
これも直ぐに終わる。
 
後は、一緒に除草機の修理。先週のやそはち作業で船底が損傷していた。
 
リベッタ買ってこよ.JPG
 
その辺りに落ちていた角パイプを切って伸ばし、補修部品をこさえ、それをリベットで
留めてゆく。機械科出身者にとって、これは高校一年生一学期の実習レベル。 
二人でやると作業も早い。どうもありがとうございます。  
 
 
先輩が帰っても、暗くなるまで作業が続く。
まず、昨日田植えを行った田んぼの漏水ポイントを徹底的につぶしこむ・・・。
 
 
といきたいところだが、アゼを補修しようにも、この間倒したままになっている木が
アゼを未だに塞いでいるのでこれを片付けるところから始める。

トゲ痛いんですよ.JPG
 
トゲトゲの木は様々な枝葉に引っかかった上、ツル植物がそれに絡まっている。
これらは、一気に運び出す事が出来ないので、ノコギリと鋏を使って少しずつ細かく
切り分け、とりあえず、通行の妨げにならない所へまとめる。非常に面倒くさい。

しかも、運んだと言っても田んぼの端っこへ数メートル山を動かしただけ。
 
細かくしてどかしただけ.JPG
 
鬱陶しい事極まりなし。このまま全部燃やしてしまいたいが、確実に山火事になるので
また暫くここに置いておく。で、この後は漏水のあったアゼを片っ端から踏み潰した後
ヤバそうな区間に畦畔板を挿し、田んぼ三枚に肥料を散布。
 

一番漏水被害の激しいのはここ。 
 
マジでもう植えらんね.JPG
 
明日は代かきをしたいのだが、用水はお休み。ちょっとこれでは無理だ。
昨日はなみなみと水を湛えていたのに、これは酷い。代かきの予定を変更して、
明日は除草とアゼお作りこみに集中せざるを得ないかも知れない。用水が止まる日が
どんどん近づく中、これは少々痛い。
 

なんというか、本気で耕作出来る条件が整ってくるに従って、作業も過酷さを増して
ゆく。何一つ自然に勝てる気がしないどころか畏怖の念が日増しに強くなる。
何故なら、このようにどうしようも無い箇所を作業するのに用いる機械は存在せず、
結局は小さな道具と人力のみで対応することになるからである。
ああ、自分ってこんな事しか出来ないんだなと毎日思い知らされる。

大雨・水圧・モグラ穴・雑草・農地を呑み込まんと押し寄せる草木。これらにひとつ
ひとつ悩まされるのでなく、全ての要素が複合してひとつの結果が現れる。その結果に
対しては、簡単には太刀打ち出来ないが故、それらを制してやろうと躍起になるよりも
ある程度諦め、恐れ多くも利用させていただいています位の感覚で向き合った方が
自分は気楽でいられる。そうでなければ、精神的に滅入ってどん底になるか、機械と
化石燃料の力でどうにかしようと躍起になり、気が付けば機械化貧乏になるかの
どちらかが待っている。

これまで三年、様々なものに打ちのめされ続けてきたように感じてきたようだが、
もうあまり痛みを感じなくなってきた。ついこの間まで、あんなに吠えていたのに。

結局、どうにか出来る箇所は出来る限りどうにかする。
それが出来ない所はどうにもならない。

どうにか出来る箇所をより増やしたければ、やりたかった事に対して折れない心と
体力が必要。稲作というよりかは、毎日精神鍛錬と言うか筋トレというか、そんな
感じでしか無くなってきた。トレーニングするなら、皇居の周りをジョギングする
より、空気も景色もキレイでなおかつ全身を使う様々なメニューがあった方が良い。

だが、敢えて言うのなら、このトレーニングは十代の時に行いたかった。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://inaka-nikki.net/mt/mt-tb2.cgi/1769