先週末、埼玉県にある見沼田んぼ福祉農園で講習会を行ってきた。
二日間の講習内容は、主に刃物砥ぎ。
これまで5年以上、ここの農園にある機械類のメンテナンスを担当してきたが、
スタッフは流動的であったり、不特定多数の関係者が機材を使用するという
施設の都合上、なかなか安全な使用方法や整備について落とし込む事が難しい状況が
続いていた。この農園は今月で10周年。それにかこつけた訳では無いが、若手の
スタッフを対象に少しでも道具に興味を持ってもらい、将来も良好な作業環境が維持
できるようテコ入れを始めたといった形だろうか。
で、手始めが刃物砥ぎなのかというと、身近な道具をより身近に感じてもらえると
考えたからだ。同じく、ここの機械や道具の面倒を共に見てきた梨農家の栗原くんと
かなり深くまで話し合った結果、あまり専門的なスキルでもなく誰でも出来、結果も
見え易いだという事でこれになった。また、知識の少ない状態で機械依存すると、
寿命や作業効率への寄与する刃物砥ぎの重要性を見落とし易いという面もあり、
やはり重要な部分である。
そんな訳で、包丁・カマ・ナタ・鍬・ハサミ・マンノウなど農園の刃物を片っ端から
引っ張り出して、参加者全員で朝から夕方まで研ぐ。若手とはいえ中学生から大学生・
社会人まで万遍無い参加者たち。割とみなさん地味にハマってくれました。
木工が得意なスタッフは、臨時講師として大活躍。
彼は自分のカンナも研いでいた。
二日目は、刃物を使用した機械編。チェンソーの清掃・調整・目立て・使用方法が
主な内容。
農園のチェンソー3本に加え、講習用に持ち寄ったチェンソーが3本。
並べてみると異様な絵。この日は、女の子の参加者が大半だったのでこれまた
珍しい光景。チェンソー女子・・・山ガールとか農ガールとかの比ではない破壊力の
ある言葉だと思う。当然、メンテの済んだこれらを使って木を切ってもらう。
なんというか、躊躇する人が少なくて驚いた。
流れ的には前日の講習と同じ。研ぐ→試し切り。使い較べまでやりたかったけれど
時間が足りなくなってしまった。
冬時は、夕刻になると皆自然に皆集まって焚火を囲む。
煙を気にする者はいない。
この日の感想や意見なんかを言い合う。
これからは、使って技能を自分のものにしてゆくだけだ。
日常でもきっと役に立つ事でしょう。