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#42 差し入れ

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師匠の田んぼの手伝いをしてくれているおじさんがいる。
何でも新潟の出で、新幹線とかモノレールの仕事を引退してから、こちらで農業をしてるそうだ。

この日は師匠とおじさんと3人で昼食をとった。
その間も、おじさんはとにかく良く喋る。そんな中、早く用水のところの片付けをしろと
指摘された。

少し言い訳も交えて返すのだが、『うるさい、とっととやれ。』 で一蹴。

喋るだけで、やらない人は大勢いるが、この方は、喋りまくり、作業しまくりのおじさんだった。
仕事をやらなければ、こちらが喋ることすら認めてくれなそうだ。


昼から作業に戻る。
しばらく作業して、そろそろ休憩かなというところで、師匠がくれたおペットボトルのお茶を
差し入れに持って行った。


おじさんは、勢いよく刈払機を振り回していた。
しかも、飛散防止のカバーを外して全開、刈刃の右側も使って往復で刈っている。
こんな危険な使い方をする人には近づきたくない。そして話しかけづらい


『これ、差し入れです。』

「あん?いんねぇよそんなもん。」

『折角用意したものなので・・・自転車のカゴにでも入れておきますね。』

「うるせぇな。ありがてえけど3本も4本も用意してきてんだ。いんねぇもんはいんねぇ!!」


そう言ったかと思うと、すぐにまた作業に戻っていく。
差し入れでなく、単にジャマしただけのようだ。


しばらくその後も作業していたのだが、渡し忘れた師匠からの差し入れ物を思い出した。

チップソー Φ230

9インチのチップソー。仕方がない。もう一度怒鳴られに行って来るか。


『たびたびすみません。』

「今度はなんだっぺよぉ!」

『さっき渡しそびれました、チップソー使ってくださいって。』

チップソーを手渡す。


「これは俺が使ってるのと違うな。」


そういって、おじさんは土手にチップソーを投げた。
んむむ、やはり必要なかったのか・・・。


すぐに拾い、更に尋ねた。

『これ、もって帰っていいんでしょうか?』


「いや、使えるから使うよ。」

・・・じゃあ投げたりしないで欲しい。


『それじゃ、よろしくお願いします。』

よっぽど自分も変わっている部類だが、彼も不思議な人だ。


帰り際、車を止めてまた挨拶をした。

おじさんは

「おう、おつかれ。」

と、ごろりと横になったまま返した後は、ずっとチップソーを手に持って眺めていた。

なんだ、結局興味あるんじゃないか。

その様子を見ていたら、なんだか可笑しな気分になった。
なんというか、少しだけかわいいというか・・・でも、会社の上司じゃなくて良かったなぁ~
とか、そんな感じで。

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