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#372 招かざる客

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いつものように田んぼの水位を確認していると、田んぼの中に無数の魚影が見える。
そいつらは、田んぼの生き物とは思えないほどの素早さで泳ぎ回っている。気になった
ので、水口に沈んでいた塩ビパイプを利用して捕獲してみる。


佃煮にでもするか.jpg
 
すると、タモロコというか、ホンモロコというかまあ普通は河川に生息している魚。
利根川にある農業用水の取水堰からここまでやってきたのだろうか。
いずれにしても、彼らは田んぼでは生きてゆけない。一時、田んぼの水を落として 
そこに網でも仕掛けて集め、どこかに放流するか佃煮にでもしてやろうかと考えたが
とりあえず、田んぼの水深を上げてしばらく様子を見る事にした。
 
 
 
まあ普通、ここいらの田んぼにいる魚と言えばドジョウくらいのもの。
 
普通にうまそうですね.jpg
 
水が切れようが、冬場に乾燥しようが、ロータリー耕を繰り返そうが簡単にいなくはな
らない。彼らは、鰓のほかに腸による呼吸が行え、深い土中で越冬している。
幼い頃から10年以上外の川魚と一緒にずっと飼育していたことがいるが、水槽の外に
出てしまって気付かずにいても、湿気があって陽が当たらない場所ならば丸一日位放置
しても死ななかった事は印象深い。そんな印象が強かったせいか、とても好きな魚で
あり、また好きな食材のひとつでもある。だから、これがいる田んぼだと何となく安心
する。

 
 
しかし、利根川の生き物が田んぼに流れ込んでくるのは別に喜ばしいことでは無い。
そのうち、厄介な生き物が入ってくることも覚悟しなくてはいけないのである。

コイツだけは困る.jpg
 
これは、水田害虫として名高いジャンボタニシ(正式名称はスクミリンゴガイ、写真は
参考、現在管理する水田には生息せず)。
個体数がまとまるとイネの苗を激しく食害する。過去に、当ブログのメインHPとなる
田舎日記の農業体験田んぼではその被害のために田植えをやり直した事もある。
この害は、本州及全土び沖縄全国的に問題になっているが、その原因としては、食用
として商売になると思われて養殖されていた固体が各地で遺棄されたためとされている。
現在、ジャンボタニシの水産価値は皆無ではあるが食用は可能である。ただ、気味
悪がって誰も食べようとしないだけなので、生物そのものに罪は無い。

この生物の増殖力は半端なものではない。一度定着すると、駆除剤(スクミノン・
キタジンP・秋期の石灰窒素施用・水棲生物皆殺しのツバキ油など)や、機械的防除
(秋冬季の耕起及び、代かき時の丁寧なハロー耕)を併せて行っても容易に根絶する
ことは出来ない。また、防除処理を行った水田から一度いなくなったとしても、隣接
する田んぼや、用水路から次々に侵入してくる。複数の耕作地域をまたいで使用される
ような農業機械に付着して分布を拡大している疑いもある。とにかく、一匹でも入り
込んだら何年後かには恐ろしい事になると思っていて良いだろう。この近くの地域でも
定着しているという声が聞こえてきているので、そろそろ取水口に目の細かいネット
でも張っておくか。

徹底的にに平面を揃えた水田において、田植えから数週間の間、ごく浅く水位管理を
行えば、イネの苗にダメージを与えず以降は雑草の芽を食べさせる事が出来るため、
生物農薬的に利用することも出来るが、無論これが生息していない水田に導入してまで
行うような農法では無い。


冒頭のモロコは、本来中部以西や琵琶湖水系の魚類。ジャンボタニシは南米原産。
そして、いつも頭を悩ませる雑草も外来のもの。こうなると、将来的には疎まずに
共存していかなければならない。それでも、このこのあたりの昔の風景とは、どの
ようなもだったのかやはり気になっている。

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