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#371 珍機レビュー① ME27B─NC 逆回転で吹っ飛ばせ

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世の中には、とても珍妙な・・・もとい、一応はまともな目的を持って生み出された
にもかかわらず、殆ど誰にも知られることも無く市場から姿を消してゆく製品がある。
今回紹介するのは、そんな一風代わった刈払機である。
 
 
岡山農営社(イリノ)製ナイロンコード専用逆回転刈払機。
(写真は三菱OEM機。名称は【ME27B-NC】イリノブランドでの名称は不明)
この機種は生産中止になって久しいがメーカーにまだ在庫があった。

見たとこは別にね.JPG

たまたま、三菱農機の展示会でイリノの方と話をした際に存在を知ったのだが、取り
寄せた農機屋も、このような機種があった事を知らずにいたほどの真性マイナー機。
見た目は普通の刈払機だが、飛散物を防ぐために、ポリカーボネイトの板で露骨に
面積を拡大された刈刃カバーが目に付く。
 
こういったものは、欲しいと思った頃にはえてして入手出来なくなっている。
中古品を探そうにも、まずもって出てこない。従って、使ってみたければ新品が出る
うちに購入する以外に道は無い。購入費は、今年になってから修理した機械を譲渡
したり整備を引き受けたりしてコツコツ機械の購入維持費を貯めてきた中から捻出。
予算はまた振り出しに戻る。次は何を引っ張ってきて直そうか・・・。
 
 

取扱説明書には、ホチキスで紙が追加されている。

特殊仕様のおことわり.JPG

 
本製品は特殊仕様であり・・・もういいよ。機械も買う方も特殊なんでしょ。
まあ、逆回転と言っても2サイクルエンジンの場合は、リコイルスタータの巻き方を
逆にして、リコイルプーリーもそれに対応させれば完了な訳で、エンジンそのものの
構造は従来機と何も変わらない。


因みに、これは興味本位で買った訳ではない。
普段の草刈りでは、エンジン出力と作業スピードを重視してナイロンコードを多用して
いるのだが、とにかく飛散物が多く、防護面も作業着も顔も泥と草でビタビタになる。
この極度の不快さを無視してまで、作業効率を優先させていたのだが、アゼ際や湿地
などは泥水の飛散が特に多く、その面積も現状を超えるととても神経が耐えられない。
そこで、エンジンが逆回転している機種ならそれも緩和できるのではないかと考えた
訳だ。また、後述するが、左利きの人が草刈りをする際にもこの機種は重宝するはずだ。

 
それでは、早速カッターヘッドを取り付けよう。
これは、作業中に地面に押し付けてコードを繰り出すよくあるタイプのもの。
 
右回転用があるとか!.JPG
 
と思いきや、"R"のステッカーの通り、しっかり逆回転(時計回り)仕様になっている。
わざわざ逆転用を生産したのも驚きだが、特に需要があるとも再生産の必要があるとも
考えにくい。もし壊れたら新品を購入出来るのかが既に心配になってくる。
 
 
刈刃の取り付けネジは正ネジ。

逆転だから正ネジです.JPG
 
時計回りだから、普通の逆ネジとは反対になる。
考えればごもっともなのだが、どうもこれは忘れてしまいやすい。
 
 
先の左利き仕様とは、つまりこういう事。
 
サウスポー仕様.JPG
 
チップソーをひっくり反して取り付けるだけ。
これで体の左側から本機を吊るせばOK。スロットルレバーも左手側へ移設可能。
ナイロンコード専用というよりも、サウスポースペシャルで売った方が良かったの
ではないだろうか?
 
 
 
いよいよ使ってみる。最初は通常の草刈り。
 
別に普通ですよ.JPG
 
丸断面2.7mmのコードに26ccの排気量だと、この時期に使うのは少々厳しい
が、それでも割と頑張った。作業感覚は、通常の刈刃で言うキックバック側を右から
左へ向かって動かすため、妙な反発感が常にあり、また動かし方がラフだと食い込みも
多くなる。これはこれで慣れが必要だが、仕上がり具合は普通だし、飛散物はキチンと
前方に飛んでゆく。感触の好みは分かれるだろうが、性能は及第だと言える。
ただ、自分の場合は、ここでナイロンを使うなら、もっと排気量のある機種にするが。 
 
 
次は、ナイロンを使用すると嫌になるアゼと湿地を刈ってみる。
ここで結果がよければ助かるのだが。
 
 
まずはアゼ。

アゼギワの雄.JPG
 
 
これはなかなか良い感じ。普段、アゼから進入するスズメノヒエやアシカキなどを
ナイロンで徹底的に粉砕しようとすると、同時に凄まじい泥も飛んできてしまい
すぐに前が見えなくなっていたのだが、これを使用すれば防護面やメガネを洗う
頻度も下げられるし、作業精度も向上出来そうだ。 
 
 
次は湿地。もふもふと茂る軟らかい草と絶妙な水深は、チップソー泣かせなのだが、
ナイロンなら刈りやすい。だが、アゼ同様にこちらも泥の飛散が多いのが辛い。


ミゾソバやセリなどの群落を刈ってみる。
 
湿地もいいですね.JPG
 
結果はアゼ同様に良好。
 

良かった。ちゃんと利用価値はある。これでだいぶ不快感と疲労は軽減されそうだ。
エンジン出力はそこまである訳でも無いので、普段は無理な負荷を与えずに、アゼと
湿地に特化させて使用すれば長持ちするだろう。
それにしても、湿地刈りをスムーズにやりたいからこれを買うとか普通は考えつかない
だろう。この機種を見た人はみんな『?』ってな感じで使い方を想像できないから
需要が増えなかったのではないだろうか。

 
 
そうそう、刈り終わったアゼの写真。
 
仕上がりは良好.JPG
 
土が露出するまで刈り込んでも衣服の汚れが少ないと清々しい。
これで作業後も堂々とコンビニにも食堂にも入れる。
 
 
大きなカバーのおかげか、機械の汚れも少ない。

雑草の付着量も少なめ.JPG
 
ひっついた草を落とす手間も少なくなりそうだ。
ただ、サウスポー仕様にして通常の刈刃を装着した場合は、ポリカ板を外さなければ
邪魔で仕方がないだろう。
 
 
 
それでは、レビューはこの程度にしておこう。
 
有能ででも主役になれない子.JPG
 
総評としては、特徴の塊なのに自己表現が下手なおりこうさんという感じ。
有用な面は相当あるのに、絶対に主役になれない不憫な子であった。
従って、これを推奨するなら局所支援用のサブ機としてである。その理由は、単純に
刈払機として考えた場合、左利きの人が使用するならともかく通常回転機の方が、
広範な作業に対応出来るためである。また、知らずに間違ってチップソー等の刈刃を
通常と同じ向きで装着して作業する人がいれば、キックバック続発で危険極まりない
事も予め考慮に入れておく必要があるだろう。

もしも、これを読んで欲しいと思う人がいれば、岡山農営社(イリノ)か、三菱農機を
扱う販売店に問い合わせてみると良いだろう。

 
 

それでは、以降も得体の知れぬ魂のこもったマイナー若しくはマニアックな仕様の
ものがあれば紹介してゆきたい。
 
 
レビュー④【ホンダ 刈丸 UM-T12】
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レビュー③【F110 ミニこまめ 耕耘機】
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