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#369 耕作待機地

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この日曜日は、この地域の集団草刈り日。
ここで田んぼをやっている者としては、やはり参加しておかないと、いつまで経っても
何をしているか知れぬ余所者のまま。まあ、そんなことをいちいち考えずとも、普段
あまり接点の無い方とも色々な話が出来て面白い。

みんなで刈れば早い.JPG
 
沢山の人が集まれば、農道沿いのヤブも一気にキレイになる。
自分で用意した機械は使わず、熊手で刈り草をよける係。昼前に作業は終り、集会所で
軽い懇親会。そこで皆さん酒を呑み始めた。ちょっと、私はこの後も作業があるので
控えさせていただきます。
 
 
で、解散後はそのまま田んぼへ行って手押し除草の続き。そしてその後は草刈り。
そう、午前中の作業なんて、これからの草刈りに比べたら、ハナクソをほじりながら
でも出来るほど楽勝である。
 
 
除草機を押した田んぼの脇は、4年ほど耕作されていないミクリの群落。
毎年立派過ぎて、もともとが田んぼだったのかどうかも判らないような状態。
自分の背丈をゆうに超える群落は、田んぼに影を落とし、風通しも悪くする。
従って、処理する必要がある。2年前、『この田んぼもやっていいよ。』と師匠に
言われたが、「ご冗談を。」という感覚に今も変化は無い。深すぎてヤバイから
耕作放棄されているのである。こうなってはもう誰も手を出せない。
 
萌え雑草.JPG
 
もし、自分の耕作している土地の周囲が、このような雑草の群落に囲まれてしまったら
と考えると恐ろしい。まだこの程度だから刈ってやろうと思うえるだけだ。

 
ここまでの群落を刈るには、もうチップソーでは効率が悪すぎて話にならない。
例によって手裏剣4枚刃でなぎ倒す。
 
圧倒的な高さと密度.JPG
 
このミクリという植物。水深の浅い湿地を好んで生える。姿はイネを巨大化させた
ような感じ。きめ細かい繊維質の体をしておりしなやかで強靭、しかも密生するのが
特徴。刈り刃の消耗も意外と早いので、給油2回につき一度は目立て。

まったく【こなぎ】とか【みくり】とか【まこも】とか、手強い雑草は何故いまどき
の萌えキャラのような名前をしているのだろう。 もし自分に娘がいたら、名前として
ちょっとアリにさえ思えてくる。が、やっぱり物心ついて、自分の名前が雑草と同じ
だと知ってしまったら嫌かもしれないし、学校でネタにされて傷つくかもしれないので
そんな名前にしないほうが無難のような気がする。
 
 
ミクリの群落が片付いたのは、日没を過ぎてからだった。
 
夜に刈るとかないわ.JPG
 
いつも、田んぼで会うたびにお茶をくれるおばあさんの田んぼに隣接する側の群落も、
お礼のつもりで刈っておいた。流石に、おばあちゃんではこんな所刈れないだろうし。
恐ろしいほど蚊に食われたが、とにかく終わって良かった。
 
 
 
今朝は、畑に行って草刈り。
 
 
ここマジで何なの.JPG
 
前に刈ってから2週間くらいしか経っていないが、元の木阿弥。
粉砕刈り取りをした2~3日以内に管理機で耕しておかないと、すぐに元通り。
ついでに、整備したこまめ2号機の試運転と野生化したジャガイモの掘り取りを行う。
 
 
そして、午後に向かった先は更なる試練の場所・・・。
昨年でいうところの、向風学校第二田んぼである。
 
もう田んぼとは呼べない.JPG
 
もともと耕作放棄されていた土地を、昨年かなりのところまで復元し、コメを収穫
するまでに至ったものの、余りに過酷な条件のため、今年は耕作を見合わせた。
(余力があれば、田植えをするつもりだったが、やはり厳しかった)
田んぼのビジュアルとしては、耕作放棄地のそれと殆ど変わらぬレベルにまで戻って
しまっている。この時点で出来るのは、草を刈っておいて周辺からクレームが来ない
ように努める事のみ。でも、その草刈りも危険極まり無い。
 
最初に出迎えてくれるのが、この法面。
写真よりも奥に進むと更に傾斜がきつくなり、足の踏み場がほとんど無い。
防護面・革手袋・3点ハーネス・安全長靴というまともな装備をしていても
ケガの恐怖は絶え間なく訪れる。

滑落注意.JPG
 
雑草の種類も豊富というか、考えられる全てのタイプが勢ぞろい。
ツル植物・潅木・クワの木、硬くて丈のあるもの、臭いもの・空き缶やペットボトルも
邪魔だし、何故か民主党のポスター看板まで立てられている。従って作業しているうちに
次第に平常心を失う。気がつくと刈らずに何もかも焼き払いたい程の嫌悪感をむき出し
にして、雑草に罵詈雑言を浴びせていたりするから、ただの危険のみならず精神衛生上
もこの上無く良くない環境だろう。汗でびしょびしょになった作業着は、更にヨモギと
ドクダミの臭いがくっついて、これもまた気分が悪くなる。で、それを気にしていると
今度は転倒してしそうになる。それでも、よく研いだ二枚刃のおかげか、思いの外早く
刈ることが出来、一息つこうと、法面から道路に這い上がろうとしてしたところで
コケる。そして先に道路に置いた刈払機のUハンドルの突端にのしかかるような格好で
胸を打ちつけながら右足の脛をコンクリートの角にぶつけつつ擦りむいて悶える事
しばし。エンジンが止まっていたのは不幸中の幸い。
 
 
俺、何でこんななってまで草刈りばかりしているんだろう?
危ないだけでお金にもなんないし、マジで勘弁してくれ。
 
 
まあ、こんな作業がセットになってくるのでは耕作も放棄するわな。
ヤブになっている土地は、そうなる理由がしっかりあるものだ。
ついでだが、この田んぼは隣のおじいさんと時期を外して田植えをした場合、
おじいさんの都合だけで勝手にこちらの田んぼの水を切られることがある。
おじいさんは自分の田んぼは全て完璧な見た目を保っておかないと気がすまない
御仁のようで、田んぼは抜け株のひとつも無く、株の間隔に寸分の狂いもないし、
雑草など生えるはずも無い。そう、除草剤が大好きで、こちらとの境界の畦畔にも、
いつも死ぬほど除草剤をかけていってくれる。おじいさんの田んぼの法面は、常時
入念に草刈りがなされ、草刈りの後は、更に除草剤を散布する。ここまでくると、
ちょっと病的なのではないだろうか?そりゃ、見た目は良いけどさ。
 
 
実は、このどうしようもない田んぼを耕作するにあたり、【ジジイリスク】も
見逃せない。ジジイリスクさえなければ、自分は今年ここに無理矢理にでも田植えを
しただろう。

それで思うのだ。恐らくイネを植えようが、このまま草だけ刈っていようが
おじいさんは絶対にこちらの努力など認めてくれそうも無いなと。
 
ジジイリスクを徹底的に回避するには、まずこの田んぼの排水を改良しなければ
ならない。その上で、ジジイが簡単にアゼを切って水を抜いたり出来ないよう、
通常より相当分厚く高い、塹壕陣地に詰まれた土嚢の壁のようなアゼを作り、更には
そこへ畦畔板を挿すと良いだろう。

などと、何故かジジイとの全面戦争を前提とした耕作方法などを考えながら
田んぼの奥にあるヤブをひたすら刈り続ける。
 
平地など楽勝.JPG
 
でも、別に喧嘩がしたい訳じゃないんだよなぁ。そもそも、イネを植えようと
思うから対立するんであって、別に冬に麦を育てて、夏は大豆でもいいじゃないか。
どのみち、排水の改良は必要だから、秋以降はそれを整えておいて、大豆と麦を
中心として、イネは一年おきに栽培とかにすればいけるんじゃなかろうか。 
で、この隣の耕作放棄田んぼを常時水田用として借りて、間の湿地は緩衝帯にすれば
この田んぼへの透水被害は防げるな・・・。
すると、ここは生コン事務所から一番近い場所だからかなりいいかもしれない。

 
とかなんとか、平地のヤブ刈りなんぞ別のことを考えながらもう余裕でこなせる。
あれ程嫌だったこの土地の耕作に対して少しだけ前向きになれたのは精神が落ち
着いた証拠。良く研いだ刃は、このレベルの雑草でも難なく刈れ、機械も充分に
出力の余裕を残した領域の回転数を維持できるので、燃費は異常に良い。

 
 
こんなに遠いとか.JPG
 
 
振り返ると、軽トラのところから随分と刈り進んできていて驚く。
 
 
ここまで2時間45分.JPG
 
あれ、きついのも確かだけど意外と単独作業にしては早く出来たな。まだ二時間半
くらいしか経っていない。使った混合ガソリンを計算したら、1、2リッター。
ありえない場所の草刈りをやり続けたお陰で、スキルは相当に向上したようだ。

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