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#359 畑に出たい

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やっと畑に出てこれた。遅く植えたタマネギを収穫する。
今年はタマネギの生育が良かったようで、思っていたよりも良い出来。
周囲でも大玉が多いそうだ。


やっぱり草まみれ.JPG
 
それでも、シロザは大量に発生。だいぶ前に収穫を済ませた早稲のタマネギの跡地は
シロザに占拠されている。肥料が効いているのか、雑草の生育も昨年より良い。
 
 
草だらけなのは、普段と変わらないが、この畑もそれなりに土が良くなってきたらしい。
 
春菊の成れの果て.JPG
 
春菊は雑草を完全に駆逐し、花を咲かせ始めた。(写真左側)
これもそろそろ刈り取って次作の準備をしなければ。けれども夕方からは雨。
少しの雨なら田んぼでも作業出来るが、畑をやりたいのでもどかしい。
雨でも何故田んぼ作業が出来るかと言うと、自分のような場合、天気に関係なく
ずぶ濡れになるからだ。

 
 
作業に出れないくらい雨が降るのなら、機械でもいじっていれば良い。
この一週間で刈払機の修理を三台も依頼されたので、その準備をしよう。

今は草刈りシーズンだから修理が入ってくるのは仕方ない。
こちらも農作業が忙しいので合間にしか面倒を見れないと断っているのだけれども
複数の人が持ってくると、合間という訳にも行かなくなる。

新ダイワばっかり・・・.JPG
 
どれどれ、コイツは二次エアによる回転不良、こっちはただのプラグかぶりだけれども
エアクリーナ欠損、これは古いな・・・修理以前に純正部品が出るのか気になる。
 
しかし、何でこうもダイワの製品ばかり集まるのだろう?(R20・231・2401)
この辺の農家がよく使っているのは、共立、ロビン(現マキタ沼津)、丸山(HC
ブランドBIG─M含む)等が多く、そんなに新ダイワを使っている人がいるとは思え
ない。けれど自分は、気付いたら新ダイワの刈払機を4台(R35F×2・RM270・
RA260)も持っていた。排気量の小さい機種は修理中のピンチヒッターとして
貸し出す事もあるので重宝している。新ダイワの修理が沢山来たと言っても、製品の
耐久性及び信頼性は相当に高く、安心して長年使える類のものだ。3本中の2本は
実に20年強も使い込まれている。

うちに新ダイワが沢山あるから、呼び寄せられるかのようにうじゃうじゃとこんなに
集まってきたのだろうか。一本だけ持っている、共立の刈払機は、なにやら肩身が狭
そうに見える。共立と新ダイワは【株式会社やまびこ】として合併し、各々のブランド
名を残している訳だから、今となっては大差無いのかもしれないが、それでも釈然と
しない。単純にややこしいのである。
 
 
そうだった、農機の世界は昔から各社とも他社からOEM供給を受けた製品の販売は
当たり前だったが最近は、企業の統廃合でそのグチャグチャさ加減に拍車がかかった。
その例を以下に書いておくので、農機のを所有または購入を検討されている方は、
参考にしてみると良いかもしれない。
 
 
・株式会社共立+新ダイワ工業 → 現 株式会社やまびこ

 前述の通りだが、共立の国内普及品と輸出ブランド名の【ECHO(エコー)】
 も継続。従って、やまびこ一社で3つのブランド名を持っている。然し、
 【やまびこ】ブランドの製品は存在しないので、全ては以前のままだと考えると
 ベターである。農家は共立、林業と土木は新ダイワ、DIYユースはエコーという
 感じに、以前から各々のブランドに特定のユーザーが偏っているのがこの会社の
 特徴だ。(林業・造園では、共立と新ダイワの購買層が相当に重なるが)
 
 
 
・旧 富士ロビン(富士重工系子会社) → 現 マキタ沼津

 マキタ傘下へ入ったことで、それまでの【ロビン】ブランドは富士重工へ返上、
 以降富士重工製品は汎用エンジンのみ【ロビン】ブランドを継続。その他産業
 機械は【SUBARU】ブランドに編入され差別化。マキタ沼津のブランドは、
 【ロビン】→【ラビット】へ。【ラーニー】ブランドは継続。【ラビット)は、
 昔富士重工が生産していたスクーターの名称。辛うじてこの会社の系統が窺える。
 【ロビン】というブランドが分化してしまったため、非常に判り辛い。
 【ロビン】と言われたら、汎用エンジンか農機具か確認しないともう話が進まない。
 旧来の【ロビン】ブランドで販売されていた小型農機だと、マキタを取り扱って
 いる工具屋に持っていってもお店の人は混乱するばかり。比較的新しい製品でも、
 なかなかカタログと対照出来ないのだ。
 
 
・旧 コマツゼノア(コマツ子会社) → 現 ハスクバーナ・ゼノア

 コマツを離れ、スウェーデンのハスクバーナ社のもとに収まったが、【ゼノア】
 ブランドに変化は無し。また、国内でのハスクバーナ製品及び部品のインフラも
 ゼノア網を利用することになった。ハスクバーナの部品を頼んでも、ゼノアの
 袋に入って届くことから、ハスク社本体よりもゼノアの方が上だと錯覚をしている
 人も多く【ゼノア・ハスクバーナ】などと揶揄されることもある。更に、ハスク
 バーナ製品の正規代理店は、以前のまま存在しており、ゼノア製品との棲み分け
 が一応なされているので混乱しやすい。ハスク社の製品は、量販店向きと、正規
 代理店向きでも機種が別々に設定されており、各々のサービスも別個となる。
 つまり ホームセンターで購入した機種の部品を、正規代理店が手配する事は
 出来ないし、その逆も然り。このため、ネットで購入したハスク社製品などは
 機械にトラブルが起こった際に、適切なサービスが受けられない可能性が高くなる。
 それでもネットで購入したい場合は、販売元が正規の販社か、単なるオンライン
 ショップなのか良く確認し、最寄の取り扱い店も調べておくと無難である。

 また、ハスクバーナのオートバイも有名だが、オートバイとしての【ハスクバーナ】
 は現在BMWの傘下で製造はイタリア。日本での販売は、MVアグスタがっており、
 現在の機種は純粋な自社製品では無い。このように、本家よりブランドが独り歩き
 したような状況になっているため、農林・造園用途の機械とオートバイは殆ど関係が
 無い。ブランドネームの神通力は強いのだが、オートバイ・作業機のいずれも
 消費者にとってなかなか難解で惜しい。
 
 
・旧 タナカ工業株式会社 → 現 日工タナカエンジニアリング

 経営難より、日立グループである日立工機のそのまたグループ下に。
 【タナカ】及び普及品の【パワーメイト】ブランドは継続。
 プロ機と廉価モデルの性能・耐久性・価格差が激しいモノ造りの姿勢に変化は無し。
 カートなどで有名な、【タス】エンジンが今どうなっているのか自分は知らない。
 
 
 
とまあ、このような具合。他にも、古くは三菱農機に吸収されて会社名が消えた佐藤
造機(現 佐藤農機鋳造とは別会社)。最近では日立建機に経営権を譲り渡して農業
分野から撤退し会社名も変わった【旧 東洋社】(代表製品だと日の本トラクタなど)
→【日立建機ティエラ】。石川島播磨重工系列ながら、ヤンマーのトラクタと縁の深い
【IHIシバウラ】(シバウラだと通りが良い)。カワサキエンジンをコアとした小型
汎用機を製造販売する、イセキの100%出資会社【アグリップ】など細かい事を書く
とキリが無い。

別に知らなくても、平時ならばそれほど困ることは無いが、いざという際に、自分の
機械は何処に持ってゆけばサービスを受けられるのかある程度これで見当がつくかと
思う。特に、旧ブランド名の古い製品を使用している方は注意すべきだろう。
 
 
 
こんなに判りにくくて、農機ユーザーは混乱しないものだろうか?因みに刈払機の
一本を購入するにしても、その選択肢は、国内で売られている車の機種数を上回って
しまう位なのである。
 
 
それでも、話のネタは尽きそうも無い。既についてこれない読者も多くなってきた
事だろう。だが、それに敢えて輪をかける。
 

今度は汎用エンジンだ。三菱・ホンダ・ロビン・B&S(ブリグスアンドストラトン)
・カワサキ・ヤマハ(主に海外向け)などは、作業機メーカーに汎用エンジンの供給を
行っており、ユーザーによっては、作業機メーカーでは無く、『〇〇の管理機』などと
エンジンのメーカーで言ってくる事がある。これも、機種の判別を混乱させる原因と
なる。興味の無いのユーザーは、エンジンサプライヤーと作業機メーカーの区別など
する訳が無い。ユーザーに近いところでこれらを細かく知っている者は、ほとんど農機
屋のみと見て良いだろう。
それでも、アジアンコピーエンジンなどが相手になった場合はお手上げ状態に陥る。
安いが得体の知れない輸入機械は、正直使い捨てにするしか無い代物でしかない。
だから、買わないで欲しいといつも言っている訳だ。壊れたら、ユーザーも機械屋も
困る。それで喜んでいるのは作って売った者だけなのはちょっと考えれば直ぐに理解
出来る。
 
 
以上、理不尽なまでに農機の世界は複雑なのだが、それを少しでも知っていれば
地雷を踏む確率は下がる。モノが有り余る時代の中で、何を選ぶかは各々の自由だが、
納得のゆく製品や販売店に出会えるかが博打的というのでは余りにも辛い。何故なら
農機とは根本的に仕事の道具にしかならないからである。 

少しでも業界の事情を知る。自分の使い方に合ったものを考える。よく知っている
店員と相談する。それらのプロセスが、作業の質を高める事に結びつく。
それを理解して欲しい。
 
 
   
今回は少々余談が過ぎたようだが、これで自分の頭の中も整理する事が出来たかな。

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