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#356 雑草暴走臨界

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「なんだ、この田んぼは無肥料なのか?コヤシ入れないと米は採れないぞ。」
 
『一応入ってますよ。でも、そんなに沢山採る気もありませんが。』
 
「最低でも30キロ(多分水稲用化成肥料のこと)位は入れておかないと伸びねぇよ。」
 
『有機の肥料なら、その位入っています(肥料屋の推奨する半分以下)。どのみち
有機栽培は初期成育は良くないんですよ。』
 
 
『まあ、何でもいいけどよ。』
 
 
田んぼの持ち主の爺さまは、そのままカブで町の方へ走っていった。
田植えをしてから、3週間弱。ゆるゆるとしか育たないイネを見かねたのだろう。
まあ、どんな栽培方法なのか説明したところで理解はしてくれないだろうが、
ついいらん事までつっかかるように話してしまう。本当は「そうですね」とだけ
答えておけばそれで済む事。でも、連日の疲れもあり、ついムキになってしまう。
 
 
それもこれも、除草に結構な時間をかけているからだ。 
ここは、雑草の発生が最も多い田んぼ。なにしろ、田植えの瞬間から数多くの
雑草の芽が田面を覆いはじめていた。それに気がついたのは、田植えを始めて
半分以上済んだ時点。もう半泣き状態になりながら、そのまま田植えを続行した
ものの、チェーン除草機を引けるのは最低でも3~4日後。ここに植えた苗は
根腐れしたものも混ぜて植えたので、活着が悪いのを覚悟しなくてはいけない。
だから、チェーン除草開始は一週間後から。それまでは、目に余る部分を手で
除草していた。

これはちょっとまずい.JPG
 
田んぼは、パッと見ならそこまで雑草は出ていないように見える。
けれども、中はかなりやばい。爺さまにデカい口を叩いた手前もある。なんとしても
まともに生育させて化成農薬一本槍栽培の考え方を以外にも理解を得させたい。
 
 
ラッシュアワー.JPG
 
チェーン除草機を縦横に通す事で、イネの株間はある程度コナギを除去出来る。
然し、このようにイネの株周り全てを雑草が覆ってしまっているような箇所が多々
見られる。

この状況は、ラッシュアワーの電車内を思い浮かべれば良い。死ぬ事はないが、
とにかく疲れてしまう。 こうなると、これから盛んに分けつ(株分かれ)を
繰り返すはずのイネは、まるで増えていこうとしない。そして、ひとたびコナギの
葉が水面にまで達してしまえば、それこそ爆発的な成長を開始する。そうなったら
手で浮かそうとしても無理だ。葉っぱはブチブチ切れるだけで、なかなか本体は
除去が出来ず、再生速度も早くなるばかり。以降は、どんなに機械除草を繰り返そう
とも、ひたすらイネを駆逐し続ける。そう、コナギの成長は最初は緩慢で、後から
勢いを増すという点で、イネと同じであるから余計に厄介なのだ。これを侮ると後から
死ぬ思いをする破目になる。仕方が無いので、チェーン除草機を引くだけでなく、イネ
の株元にはびこる雑草を、手で除去しながら、少しずつ進んでいく。


もうちょっと頑張れ.JPG
 
除去が済むと、気分が本当にスッキリする。この状態の株を少しでも多くししたいので
早朝から草取りをする事が多くなってきた。 また、新たに発生するコナギの量は
次第に減少してきている。もう少しの辛抱だ。

 
 
しかし、チェーン除草は三日おきに行っているのに、雑草の生育の早い事。
以下より、コナギ以外の代表的な難防除雑草を紹介していこう。
 
なんでこんなに成長早いの?.JPG
 
一通り、田んぼ全体を歩き回り、目に付いたら片っ端から除去しているというのに、
この大きさとは何なのだろう。写真のオモダカの場合、初期からの成長速度はコナギ
よりも数段早い。そして、窒素の吸収量も相当に多い。株間からの発生ならともかく、
これがイネの株元から発生してしまうと生育に最も必要な窒素を思い切り奪われて
しまう。昔は、これをクワイの類だと重宝がり、実家にあった小さな池で育てて
喜んでいたものだが、まさかこれの除去に躍起になる日が来るとは思わなかった。
 
 
おなじみ、キシュウスズメノヒエ。 
 
エイリアンの触手.JPG
 
イネ科の外来植物。水中から発生する事は出来ないが、湿地及び半水域を好み、
写真のように、水面に匍匐茎を伸ばして田んぼに侵入してくる。匍匐茎の伸長速度は
現在の気候だと、一日50mm以上あるようだ。10日放置したら、50cm。
来週からは、強制的に農業用水が止まる。もし田面に水が無くなれば、節から出た根が
田んぼの土をつかみ、マット状に広がり始める。イネ科だけに、吸収する栄養の競合も
激しく、はびこらせると、減収は免れない。また、ヒエの名の通り、イネと同じか
それ以上の高さに穂を付け、刈り取り・乾燥調整の障害になる。
 
匍匐茎は、まとめて引きちぎり、アゼの雑草刈りはこまめに行うこと。
ナイロンコードで舐めるようにアゼを刈ると、比較的効果的。
 
 
これはイボクサ。当ブログでは初登場か? 
 
 
イボクサくん.JPG
 
とにかく、簡単に再生してきて、ずっと放っておくと群落を作る。
被害そのものは、コナギやスズメノヒエほどではないが、何かと鬱陶しい存在。
代かきしても、土中に切片を埋め込み切れなかった場合は、このように直ぐに再生
してくる。再生した切片は、見つけたら田んぼの外に放り出すか、思い切り足で
踏みつけて埋め込んでしまうと良い。コイツは、完全に埋まった状態からは再生
出来ないのだ。
 
 
次、セリ。(食用可)
 
食用に栽培するか.JPG
 
再生のしやすさ、防除方法、被害ともにイボクサと似たようなもの。
雑草取りの時は、これを持ち帰って食べるのはいかがだろうか。
 
 
 
とかなんとか考えながら、2時間ほど黙々と草取り。
それでも、危険な部分を集中的にこなしているだけなので、数日後には別の箇所が
同じことになっているだろう。 
 
後からも処理しよう.JPG
 
チェーン除草機は、手で雑草をさらった後の土を更に引っかいてダメ押し。但しコナギが
盛んにはびこっている箇所は肝心の土に触れずにチェーンが素通りするだけ。田んぼの
土が見えている箇所でなければ、これを引く意味はほとんど無い。
 
 
 
とまあ、今年も雑草に苦しめられているが、それでも全部がこんな訳では無い。
 
 
早めの対応が一番.JPG
 
こちらは、代かき二回、田植え後5日目にチェーン除草。そのまた三日後に再度
チェーン除草をおこなった田んぼの状態。タイミングさえ間違えなければ、相当に
雑草を抑えられるのである。その目安は、代かきの翌日に田植えを行い、その後一週間
以内に一度引き、以降3日ごとに2回、3週間で計4回程度引けば良さそうだと
言う事が分かってきた。耕作面積は二町分。一度に広大な面積のチェーン除草を行う
必要が無いので少しずつ植えて正解だったのかも知れない。真夏の中耕除草で疲労
する回数も、少しは少なくなる事だろう。

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