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#355 簡単には負けません

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遅くまで田植えをすると決め込んでいたので、時期を見計らって苗をこさえていた。
流石に5月を過ぎると、周囲でも余った苗のやりとりは見られなくなるが、どうも
周囲に心配をかけているようで、親切な方からミルキークイーンの苗を提供して
いただくことになった。この品種は、まだ栽培したことが無いので、丁度いいから
試すことにした。

それにしても、もうこれで今年植える品種は6種類になってしまった。
稲刈りや、乾燥調整に手こずるのを覚悟しなくてはなるまい。

いただきものミルキー.JPG
 
しかし、時期が時期。丈はだいぶ徒長している、今すぐにでも植えないとまずそうだ。
魔の田んぼ下の段に植えることにしよう。
 
 
農家さんは、苗の根っこにこだわる。これは自信がありそうな苗だ。
 
 
良い根張りですね.JPG
 
プール育苗せずに、苗箱の隅々まで根っこがびっしりと行き渡っている。
この方法に至るまで、だいぶ試行錯誤しているのだろう。
けれども、水もちはあまり良くない。日中放置しておくとすぐにしなびてしまうので
貰ったら、すぐに田んぼに投げ込まなければ即ダメになる。
比較的密に種を蒔いて、余計に成長した状態なので、これは仕方が無い。

 
 
ついでなので、自前の苗と比較してみよう。
 
これは、今週田植え予定の【まんげつもち】播種は5月7日。

5月7日たねまき餅.JPG
 
露地で育苗しているので、徒長は抑えられている。現在は4葉ちょっとといったところ。
 
 
根っこは、このような感じ。
 
バリ堅です.JPG
 
苗箱上部への根の回りこみは控えめだが、とにかく太い根がびっしりと張っている。
蒔いたモミの量は、80~90gと薄めだが、一本一本の茎は太くて元気が良い。
 
 
こちらは、【コシヒカリ】の余り苗。播種は4月の頭。
 
全く肥料切れません.JPG
 
2ヶ月以上経過したにも関わらず、何故だか肥料切れになる気配が無い。
苗代の田んぼの水は栄養が豊富なのだろうか。根っこは大変なことになっている。  
 
ハリガネで替え玉ください.JPG
 
普通の苗と根っこを比べたら、ソーメンとうどん位太さが違うかもしれない。
しかも、ハリガネのように硬い。裂いてみると、普通はブチブチという音がするのに、
この苗は、ザリザリと擦れあうような音が出る。
 
 
こちらも余り苗の【ふさこがね】
 
腐っても復活します.JPG
 
実は、早稲の何枚かは水位の見極めが甘く、苗箱が水に浸からない状態で放置して
しまい、だいぶ根腐れを起こしていたのだが、そのまま放置していたら勝手に太い
根っこが復活して、葉の色も正常に戻ってきた。これなら植えても問題は無さそう
だが、流石に早稲は植え付け時期を逸しているので補植用にしかならない。
 
今年の育苗は、おおむね成功したようだ。昨年から露地での育苗実験を始め、培土の
調整やら、播種の量やら試行錯誤をして、良好な配合を見つけた。更に今年は低温期
でも安定した芽出しも出来るようになった。気象条件にもよるが、今年を基準に
考えるのなら3月の中~下旬までに播種をすれば、露地育苗でも5月の頭には田植えが
出来るだろう。以って、《水稲育苗ハウス不要宣言》を行う。
 
 
ところで、訳あって自分はものすごく苗を雑に扱っている。
まずは運搬時から。

絶対に甘やかさない.JPG
 
このように、苗が重なり合うようにして軽トラに突っ込む。短距離の運搬なら、別に
これで問題は無い。平置きだと、軽トラの荷台には12枚しか苗が載せられないが、
こうすれば40枚近くまでいける。軽トラ用の苗ラックや、斜めに載せられるホルダー
も売られてはいるが、そんな邪魔なものをいちいち積み降ろす位なら、最初から
無いほうが楽だ。うちにある軽トラは、この一台しか無い。苗の運搬以外に、いくら
でも作業があるのだから、何も積まないほうが良い。因みに、一反分あたりに使用する
苗箱の枚数は、10~13枚。一日3~4反程度しか田植えをしない自分にとっては
ベストな運搬方法である。
また、苗は2葉期の中~後半頃に庭先から苗代へ移す。その際にもこの運び方を
行うことも多々あるが、幼苗に対しても今のところ問題は無い。
 
苗が傷むのではないかと思われる方も大勢いるとは思うが、どうせ田植えをして
数日後からは、チェーン除草機を何度も引き回す事になる。この程度で折れるような
苗なら、遅かれ早かれダメになるだろう。イネの苗踏みも、最近は良く行われるように
なってきたようだが、苗踏みローラーなぞ無くても、運搬時にストレスをかければ
事は済む。

 
次、田植え前日の午後から、苗はアゼ際に放置。
 
水は一晩以上切る.JPG
 
簡単には水切れしないのを良いことに、まだ日が照っているうちから苗を田んぼの
脇に放置して、翌日に植える。こうすると、田植えの際に、もともと軽い苗が更に軽く
なっていて、田植え機への装填作業が楽になる。全ての作業は一人で行うため、
つまらぬ繰り返し動作で疲労するのを避けられれば、そのぶん田植えに集中出来る。
心なしか、これを行っておいたほうが、イネの活着も早いような気もする。 

 
苗代から取り出した苗の中には、タニシやらカワニナやら、ザリガニの子供、ドジョウ
など生き物が沢山出てくる。乾いたら可哀想なのでそいつらは逃がしておく。
また苗箱の土の中には、イトミミズが大量に活動しているのが気になる。苗箱の中に
生物相が出来ているのは何か発育に影響があるのかもしれない。
 
 
 
次、更なる疲労軽減策として、苗は丸めてしまう。
 
丸めると楽.JPG

田植え機には、苗を植え付け部分に装填する以外にも、何枚か苗箱を積んでおく事が
出来る。歩行型の小型機の場合は、せいぜい苗箱3~4枚しか積めないが、こうして
苗を丸めてしまえば、補充用の苗が沢山積めるようになる。また、苗箱を
持つと両手はふさがってしまうが、丸めれば複数の苗を一度に運べる。丸めた苗は、
苗箱に3ロールほど並べ、更に上にも同じものを乗せれば一度に6枚だ。ここでも、
軽量培土のメリットが最大限に生かされることになる。ここまで既にムチャクチャな
扱いをされてきた苗にとって、丸められる事など何でもない。
 
 
なんとも、見るに耐えない扱いだが、苗の植わる田んぼはもっと酷いかもしれない。
田んぼの条件及び管理方法はマチマチで、必ず悪い要素が複数重なってくる。

全く元肥の入っていないところ・有機物残渣の分解が全く進んでおらず、硫化水素の
発生しまくっている田んぼ・全然日が当たらない田んぼ・田植え機が沈んで、異常な
深植えになることもあるだろう。窒息寸前の深水から、充分に生育していないのに、
強制中干しで用水が出なくなる時期もある。まして遅植えのため生育期間は短い。
それでも生育中期からは雑草と激しい競合が起きる。・・・だから、もうイネの苗を
育てるという考え方を捨てた。お前らなんて、イネじゃなくて雑草になってしまえ!
 
  
とにかく、どんな条件でも、速やかに活着し、安定して生育しなければならない
重い宿命をこの苗は背負っている。それに対処すべく、ひたすら強い苗を育てている
つもりなのだ。決してケチな上にものぐさな発想のみからこんな風に育ててきた訳では
無い事をご理解願いたい。

 
強い苗の育て方が分かってきたから、今度は適切な施肥についてもっと勉強しよう。
生育条件をまともに整えることが出来れば、もう少し良くなるはずだ。

 

 

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