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#343 一時が万事

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種まき、肥料散布、草刈り、やる事は目白押し。工事は中断と。
そして夏日。作業中はじっとりと汗ばむ。

重作業の多い日に限って、暑いのだが、おかげで苗も良く伸びる。

草のコヤシにならんうよう.JPG
 
近日中に田植えが可能な田んぼは、現在5枚程度。そのうち3枚は、既に一度代かきを
して2週間程度放置している。雑草害を減らすために、もう一度代かきを行って
おくことにした。肝心の苗は、早稲のものでも、植えれる状態まであと一週間弱は
かかりそうなので、この際丁度良い。今のうちに有機物残渣の分解が更に進めば
酸性・酸欠を好むコナギも少しは減らせるだろう。

周囲はというと、9割方の人が田植えを済ませたご様子だが、こちらは昨年よりも
のんびりしているのである。ひたすら外気で健気に育つ苗の成長に合わせて田んぼの
準備をする事が、こんなに気楽だとはよもや誰も思ってはいまい。資材も設備も
機械代もケチった結果、面倒な作業も増えたが、かえって田んぼの管理作業自体は
計画的に行えるようになった。
要するに、一人でも確実に出来る事が今の自分にとって最も重要なのだ。

 
 
その計画に則り、まだまだ苗作りは続く。
今回は、まんげつもちとコシヒカリの計48枚。いずれも遅植えに対応出来る品種。
苗箱加温用台車も補強したものの、まだ少々軋んでいる。

今度は50枚だ.JPG
 
それでもまだ、最低あと50枚は種まきをしないと、苗が足りなくなる。
今年から、苗箱1枚当たりのモミ重量は減らしているので、疎植を行っても、
昨年より使用枚数は増えるだろう。そこで、もう今ある苗箱の数だけ、苗を
用意しようと思う。種モミはまだまだ残っている。
 
 
それで思うのだ。この最も一般的な苗箱による育苗とそれに対応した機械での田植えと
言うのは、非常に商業的に成功しているのではないだろうかと。

なにしろ、普通の方法だと、苗箱1枚あたり200gの種モミを蒔き、苗箱6~7程で
培土20kg一袋を使用する。消毒や病害防止の処理をするための薬液も要る。更には
密植をするので、一反当たり苗箱20枚が必要だ。機材面でも至れり尽くせり。
催芽器、発芽を促す為には芽出し機、種まきには播種機、生育用にはビニールハウス、
トラックでの運搬用ラック、そして田植え機、苗箱洗い機・・・苗や資材運びの負荷
軽減のため、大規模設備では肥料袋持ち上げアシスト機や、苗箱シューターなどを
使用する場合もある。また、播種機のホッパーに培土を大量に入れる場合は、フレコン
をフォークリフトで吊ったりする事も珍しく無い。それらを片っ端から揃えていけば、
もう後戻りは出来ない。効率改善と投資コスト回収をよほど意識して耕作、営業販売
せねば、機械化貧乏の泥沼が待っている。無論、機械の操作スキルも余程高くなければ
なるまい。


自分の場合、それらをかなり省く事が出来てはいるが、それでも限界にぶつかる。
それは、【一般的な田植機による田植え】そのもという根本的な部分である。
 
  
疎植(坪当たりの株数40以下)を行えば、確かに苗箱の枚数は減らせる。しかし、
露地で成苗に近い苗を育てる場合、種をあまりぎゅうぎゅうに詰める事は出来ない。
すると、種モミを密集させてある苗箱で疎植を行う場合より培土の使用量は増える。
本当は、種をもっともっと薄く蒔いて苗の一本をより強く育てたいと思っても、ある
程度密に蒔かなければ、今度は田植え機の爪が苗を引っかけてくれない。何より、
田植え機は、折角良く伸びた苗の根っこを容赦なく引きちぎって植える。だから、
例え一株1~2本で疎植出来たとしても初期成育は悪くなりやすいし、酷い場合は
活着せずに流れてしまうので運任となる。その間に草を出そうものなら、もうアウト
なのだ。

因みに、専用機でないと疎植は無理だと勘違いしている農家も多いが、普通の歩行型
田植え機でも、2速(通常は移動時のみ使用)で植え付けを行えば疎植が可能となる。
このような手法で尺角植えによる疎植を行う場合、スカスカな苗は、苗取り量を多く
設定してやり、根っこの張った部分を多く入れてやる。密集している苗では、根への
ダメージ対策として3~4株以上の株数を確保するという対処(健全なものが一本でも
入れば、生育に支障は出にくい)が必要になる。それでも、根っこが土を思うように
抱えて入ってくれる訳では無い。また、「あきたこまち】など、分けつ量が少なく、
収量は植え込み株数に依存しやすい品種の場合、疎植のリスクは更に高まる。
だから、根を痛めず、4.5~5葉の成苗を簡単に移植出来るポット式田植え機の
需要があるのだが、これとて簡単に手を出す訳には行かない。


何をどう工夫したところで、最終的にはある程度の培土と種モミを用意しなければ
ならない事から判るように、何処にででもコストがかかる仕組みが良く出来ている。
これを何とかしたければ、全て手作業で行うか直播する、あるいは全く別の田植え
方式とそれに対応する育苗方法及び機械を開発するしか道は無い。
 

いずれは、無駄なお金やエネルギーを必要としない新たな移植技術そのものを研究
したい。それまでは、現状の移植方法の無駄を極限まで改善する事に心血を注ごうと
思っている。何時になるのかは知らないが、やりたい事は沢山あるほうが生きていて
面白いだろう。

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