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#312 将来のこと

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今週は、初っ端から風邪をひく。
悪寒と頭痛は早くに引いたが、まだ咳と微熱が残る。あまり外で無理をして、ぶり返すのも
良くないので、おとなしく過ごしていた。作業が無ければ更新もしづらい。

作業以外なら、そこそこ動けるようになってきていたので、昨日は予定通り千葉県の
青年農業者会議に出かける。地元の同年代の人や、県内の仲間を増やす良い機会だと、
農林振興センターの職員さんに声をかけてくれた訳だ。
会場では、意外な知り合いに再開したり、また自分と似たような事をしている方などと
話が出来て有意義だった。


研究発表や弁論などを聞いた後は、作目ごとに分かれてグループ討議。
自分の参加したグループは、やはり水稲。参加者は割と大規模経営者が多い。
そして皆、今後も栽培規模を広げる気まんまんである。

コメ余りと規制緩和ムードの昨今、やはりどのような経営を行うにせよ、コスト削減が
命題。苗代を減らす為の疎植技術、多収品種や分の良い転換作物の話や、肥料代節約術
などで話が盛り上がった。意外なのは、コメはもう続けづらいという後ろ向きな人が
全くいなかった事。これを若さだと片付けるのも簡単だが、この県は、まだしっかりと
活力が残っているという実感が湧いた。風邪にやられている場合ではないな。
 
 
 


然して、自分も大規模化を目指すのかと言えば、また違う。
既にインフラがあれば、設備を遊ばせないために拡大するのは必然とも言えるのだが、
こちらは事情が違う。大借金をして設備を整え、経営拡大をするのには余程の勝算が
必要だし、傾斜地の湿田を改良するにも物理的に限度がある為だ。
そして何より、大規模集約化が進んだ後も、永劫にそのような栽培が続けられるのか
疑問なのである。

 

自分なりのシミュレーションはこう。
 
まず、TPPは参加。これは日本が工業国なので、目下の国益保護上から仕方ない。
80年代から延々続いてきた食料に対しての外圧から農業を保護する時間稼ぎも
もう限界だろう。

では、TPPに参加したからといって、日本の工業製品はかつてのように売れるのだろうか?

これも、劇的に輸出が向上するような事は無いと思われる。日本の製造業は、度重なる
円高や資材・エネルギの高騰などに対して、高効率・低コスト生産技術を徹底的に追求
してタフネスを高め、絶対的な性能を磨く事でブランドを保ってきた。しかし、ここ10
数年の間では、それもやり尽くしてしまい、派遣や外国人労働者などに見られる雇用方法の
転換まで行なってコストを下げ、生き残りを図った。また、その間にも企業のグローバル化
は進行しており、生産活動の主体が海外に移っているケースも増えている。

つまり、企業の収益体質そのものは、もはや国内に依存するとは限らない。
この国の製造業は、自らが生き延びる為に、日本の周辺諸国の工業力及び競争力の底上げ
を行ったのだ。この技術とコスト体質をもってして、世界中どこででも安くて良い物が
作れるようになったのだから、余程のアドバンテージを持つ、特定の製品でなければ、
世界市場では受け容れられない。それについても日本で作る必然性は見当たらない。
 
 
すると輸出が横ばい、入ってくるものは増える。当然、徐々に外貨は減ってゆく。
外貨が極端に不足してくると、今度はインフレが起きる。
 
もし、食料や飼料の輸入依存度が現在より増した状態で、インフレに突入したら食糧難だ。
また、このインフレが大規模集約農法にとって最も怖いのではないか?
大型設備に依存していれば、燃料や資材の高騰で受ける打撃が多いのは間違い無いだろう。
今は良いかもしれないが、補助金目当てで安易に法人化したり、経営規模を拡大するのも
リスクは高いと思う。
 

話を続けよう。仮に先のような世の中になったとすると、営利が出せなくなった生産活動
から企業が手を引くかもしれない。すると、管理が出来なくなっただだっ広い農地だけが
取り残される。

食料増産の必要性があっても、機械を動かせない、肥料や薬が買えない。自給農レベルでは
土地の管理が出来ない。これは恐らく最悪のシナリオなので、簡単にそうはならない筈だが、
全く心配が無いとも言い切れない。
 

従って、もしもそうなってしまっても何とかやっていける体質づくりをする必要がある。
これから先、間違い無くコメの値段は下がる。補助金は出ても、出た分値切られるのは
個別保障の結果が証明している。

当てに出来るものは、信念と工夫しか無さそうだ。
儲ける以前に、生き延びる方法を考えなくてはならないとは、何とも世知辛いものである。

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最初の開国は明治維新である。二番目の開国は戦後である。三番目の開国はこれからである。


考え方にはいろいろある。自分たちの考え方が理に合わないものであることを証明するのは難しいことである。だが、それが証明できなければ、おかしな考え方を改めることも難しい。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

日本人が、精神面からも開国する事を標榜されているようですね。
【意見を言わない】・【事なかれ】・【責任転嫁】ばかりの昨今にあって
そのような活動をするのはとても大切な事だと思います。

しかし、書き込み文は御ページのキャッチをそのままコピペしたもの。これには失望です。
日本人の精神構造まで改革するような活動ともなれば、このように一方的なアプローチで
なく、まずは対話を最も大切にしなければいけないと思いますが、それも考え方には色々
あるとでも言うのでしょうか?
手間はかかるでしょうけれど、もっと心の通い合う方法で仲間を増やしていかれる事を
お願い申し上げます。

尚、同様の書き込みが続くようでしたら、以降はスパムとしてコメントを削除します。
私は、ネット上を自動徘徊して闇雲に書き込みを行うマクロと話したい訳ではないのです。

冷静で心強く感じます。
私も同じような立場で物を見ています。
つまる所は同じ、その多様性は感じていたいと思います。

日本は現実をとらえて目覚めて欲しい。
やる者の国に。

はてなし さん

コメントありがとうございます。

TPPの内容は賛同しかねる部分が多いものの、それでも止む無しのような
書き方をすると反発が来るかと思っていたので、少し安心しました。

なんにせよ、国土の物理的な性質や、長期的時間軸での変化、果ては人の心
まで無視して、経済のことばかりのたまう人には辟易しますね。

それ主導の考え方ならば、絶対に乗らないという気持ちなんですよ。

人見さん、雪は大丈夫でしたか?
こちらは雪もちらっと降ったぐらいでした。

昨日深夜、NHKで大潟村の話をしていました。
開拓者の想いと国政のギャップ、改めて難しさを感じました。

開拓者は、
全財産を売却する契約で入拓したこと。
入拓6年で減反がはじまったこと。
農地は国のものだったこと。

改めて、農業と政治のむずかしさを感じました。
感想コメントですみません…。

いつもどうもありがとう。
こちら雨ばかりですよ。雪よりかはいいけど、作業に出づらいです。

国策に対してのコメントとなるとちょっと難しいけれど、今は、まだ方向性が
とっちらかっている状態なのかなと。それはそれで、選択の余地が沢山あるとも
考えられるね。けど、何をどうして良いか誰も判らないからと言って、何でも出来る
訳でもない。結局、物事の仕組みをひとつひとつ考えて、何故現状がこうなっている
のか組み立てて考えてから対応しないといけないと思うんだ。それなのに、とかく
世情は目まぐるしく変わる。それに翻弄されればされるほど、人の考えは必要以上に
バラバラになっていく。助け合いが無い状態は、恐らく社会とは呼べないし、それ
なくしては国家も成立しない。

だから、農業政策に囚われずに言うならば、相互扶助の仕組みを再構築する必要が
あるんじゃないだろうか?農村に住んでる人だって、それは例外じゃないよね。
で、これなら個人レベルでも考えて行動に移せると思う。


全く、何を偉そうに書いてるんだか