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#284 20年前の新車

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今回は農作業とは全く別の話なので恐縮極まりないが、興味があればどうぞ。
 
 

普段、足にしている軽自動車はもう外観・内装ともにボロボロ。と言っても購入時から
ボロボロだったので、特に何も気にはしていなかった。元来がシンプルな構造で、しっかり
整備を行っているのだから、20年以上経過していても道具としてはまだ充分使える。
解体屋に行くはずだったものを3万円で拾ってきたのだから、良い買い物であった。

しかし訳があって。ここへ来て車が増えた。しかも新車に限りなく近い状態のものが。
以降の足はこちらを使用し、もう一台は軽トラとともに農作業用にすべきだろうか。

出費に関しては、あまり乗れないバイクを売って埋め合わせをしたいと考えている。

外観.JPG

やってきたのは、ダイハツのリーザという車。登場から24年を経過した現在では、
もはや誰も覚えていない珍車の類である。
グレードは【チャチャ】というよく言えばポップ、悪く言えば軽薄な印象の車らしからぬ
響き。ちょっと贅沢なおばちゃん買い物車のような設定であり、ごくごく少数のリーザ
愛好家からは無視されるような存在だろう。車としてのキャラクター自体は、若い
アクティブな女性向きのパーソナルクーペというような位置づけだっただろうか。
全体的にはさほど売れた訳でも無い。
この車で、一部から例外的な支持を受けるのは、モデル末期に追加されたスパイダー。
台数は極端に少ないながらも、業者オークションでは普通のリーザの出品が全くと言って
良い程無い中で、ちょくちょく顔を出してくるコレクターズアイテム。ターボ仕様の支持
も根強かったが、そろそろ際どい状況だろうか。550cc/660cc共に多くは
潰されていることだろう。スパイダーを除く660シリーズは、もともと台数が少ない
ので絶滅寸前という認識で差し支え無い。

 
 
実は、そんな不人気レア車に自分は既に8年も乗り続けていた。それが冒頭の軽である。
だから、これで同型車が2台になった訳だ。

一号機 初代リーザ(平成元年式 L100V・チャチャ/550cc)
二号機 新規格対応(平成二年式 L111S・チャチャ/660cc)
 
 
両方ともリーザチャチャなのは偶然。タマ数が最も多かったのだろう。
この機種が好きな理由は、中高生の時、ノートに落書きしていた車に形が似ているので
特に可愛く思えるから。それ以外には特に何も無いが、スッキリした面構成のデザイン
でも抑揚が効いていて飽きがこない事に、何年か乗り続けていて気付いた。

 
 

それで、購入のいきさつはこうだ。
 
 

ダイハツのディーラーに勤める友人から、ある日電話が掛かってきた。

「リーザを代替するかもしれないお客さんがいるんだけど。」
 
『え、以前言っていたお客さんでしょ?家の駐車場のアクセスが狭すぎてリーザしか
 駐車出来ないから手放さないんじゃなかったっけ。』
 
 
マイナーで古い機種なので、維持が困難になってゆくだろう事を見越し、他にも誰か乗って
いないか以前尋ねた事を思い出した。
 
 
「それが、新しい家に引っ越す事になったから、車も新しくしようか考えてるんだって。」
 
 
『今は、エコカー補助金の駆け込み時期だよね。補助金額は12万5千円か。』
 
 
 
13年超えの車の場合、補助金を受け取る為には。車そのものを下取りではなく公道を
2度と走ることの出来ない状態(要は廃棄)にしましたという証明を提出しなければ
ならない。潰してしまっては惜しいので気がはやるが、まだ即答は出来ない。
 
 
 
「そうそう。だから乗る人いないかなと思って。」
 
 
『ディーラーで新車購入の場合、どう考えても補助金使うよなぁ・・・。程度はどんなん?』
 
 
「えっと、色が白で平成2年式。走行が5千キロ。軒下保管。」
 
 
『ちょ、ちょっと待って!5千キロって何?新車と同じじゃんか。ホントなの?』
 
 
「ちゃんと整備記録が全部残ってるよ。新車時から一年どころか半年ごとに点検
出し続けてる。 律儀な方でね。年間300キロ位しか走ってなくてもしっかり。
本当いいお客さんだよ。」
 
 
『・・・やっぱ新車をスクラップにしたらバチが当たりそうだな。何とかしたいから、
 補助金と同額で欲しいって人がいるからどうかって、先方さんに聞いてみてよ。』
 
 
 
という訳で、その後は速やかに事が運んだ。
エコカー補助金は予算を使い切って終了したが、とにかく需要喚起を優先する余り、使える
ものを無駄にスクラップにさせていた感が残る。まあ、この車の例では極端だけれども。

言い換えるなら、肥沃な土に石灰ばかり投入して作物を育て、以降の土作りを考慮して
いないような感じではないだろうか。補助金が終わってみれば、当然の如く新車は動かない。
おまけに中古車まで動かない。暮れ、年度末ともに自動車業界は苦境に立たされそうだ。
登録台数稼ぎの自社登録が増え、その新古車まで売れなくなりそうなのだから。
 
 

何はともあれ、貴重なこの個体は廃車を免れた。以下は現在の状態。
 
 
 
外装は、少々の傷・凹み・補修跡があるが、ツヤは失われていない。年数を考えれば納得。
リア部分は、痛み無し。良くないのは撮影方法。

P1010739.JPG
 
 
特筆すべき部分はテールレンズ。

 
この機種でこのレンズ!.JPG
 
この車、とにかくテールレンズがくすみ易い事が特徴なのだ。よく見かけていた20年前
でも、ほとんどの車のテールレンズにツヤが無かった程である。それが、しっかりツヤが
保たれている。ここにも常に入念にワックスがけが行われていただろう事は想像に難くない。
 
 
 
《まあ、こんなものだろう》という認識は、ドアを開けた瞬間に覆されてしまった。
 
内装広角.JPG
 
この内装が、限りなく新車なのだ。
紫外線で劣化したり、変色している箇所が全く無いのである。サイドシルまで、ワックス
が効いており、純正のフロアマット・シートカバーに至ってもほつれやシミは見当たらず
更にシートベルトのバックルすら真っ赤な光沢を放ち続けていた。ゴム部品もしなやかで
黒い。スイッチやシフトも、下手をすると最近の新車よりも節度感がしっかりしており、
ドアの閉まる音も軽くない。

これほどの状態だと、普段の泥靴では、乗る事自体躊躇してしまう。
おばちゃん買い物車のはずなのに。
 
 

写真では、あまりその様子も伝わらないかもしれないが、一応張っておこう。
グローブボックスからは、ホワイト車用の固形ワックスが出てきた。引き続き
有り難く使わせていただきます。
 
インパネ周り.JPG

計器、デバイス周りのイルミネーションは黄緑一色ながら、まだ充分に明るい。
蛍光塗料すら劣化していないようだ。 
 
 
走行は、引き取り時には5494Kmだったが、引き取ってからもう500Km走った。
 
走りたくない・・・.JPG
 
なんというか、走らせないと道具としての意味が無いのだが、どうしても勿体無い気がして
しまう。距離を伸ばすのが悲しくなるのは、生まれて初めての経験かもしれない。
 
 
純正シートカバーは初めて見た。
 
カバーすら劣化せず.JPG
 
その内側にあるシートの状態も推して知るべし。なかなか茶目っ気の効いたファンシー
(死語)なデザインのシートなのだが、このカバーも外せない。リアシート・トランク・
トノカバーまで満遍なく同様のコンディション。もう目が回りそう。
 
 
 
前オーナー、エンジンルームの清掃にはそこまでの拘りは無かったらしい。
 
もう少しキレイにしないと.JPG

と言っても、走行距離が走行距離なので、ススやオイルミストはごく少ない。
少し気合を入れて清掃すれば充分にキレイになるだろう。ATの変速調整バルブのような
部品は、正圧(空気)導入口のスポンジが劣化で消失していたので、代用品を押し込む。
他には異常無し。
 
 
 
走行してみての印象も、やはり新車のそれ。軋みやショックのガタ音も無く快適そのもの。
一号機よりも100Kg以上車両重量が増えた事により、特に前輪への負担が偏ったようで
アンダーステア傾向が顕著になり、同時に軽快感も減っている。タックインも強力になり
そうだが、そこまで挙動変化を利用したようなコーナリングは試していない。と言うか、
試す気にもならない。パワステが軽く設定されているせいか、接地感が伝わりにくくて心
もとなく、何というかエンジンもブン回す気になれないフィーリングなのだ。まあ、これは
慣れだろうが。シフトショックも少なく。スムーズに走行可能。
エアコンもしっかり効くが、制御アンプのスイッチング頻度がやたら高く、カチカチと
耳障り。ゲインをいくら調整しても余り変化が無いので、おそらく仕様なのだろう。


一号車と比較して言えるのは、同じ形、グレードながら全く別の車だという事に尽きる。
ボロ車と比較するのもなんだが、エンジン・トランスミッション・ブレーキ・点火装置に
至るまで全て異なっているのだから当然である。同じなのは、アイドリング時に伝わって
くる大きめな低周波の振動成分だけとも言えそうだ。

乗って面白いのは、ワンバレル1ステージ単キャブ・2速AT・4輪ドラムブレーキ・
ポイント点火・標準状態で触媒レスという恐ろしく旧態然としたスペックながらも文句
無く一号車。二号車さんは、かなりお上品な子へと成長していたのだった。
たかだか一年足らずの間でえらい変わりようである。
 
 
 
この買い物は、必要に迫られた訳では無く、情け半分、趣味が半分といった所なのだろう。
しかし、車としては奇跡としか思えないような良い状態であり、これを所有する機会に恵
まれたのは申し分ない幸せである。何より、20年が経過して尚も新車であり続けたものに
乗れるという事実は、車のマイナーさ加減に恥じぬ稀有な経験でもあろう。

補助金を貰ってエコカーに買い換えても、こんな訳の分からない感動は得られないのである。
だから、どうしようも無いマニアだと言われるのでもあるのだが。
 
 
さてと、しっかり働こうか。
 
 

 
 
 
 
《追記 ─ 一号車》

本文の補足にどうぞ。

 
 
【外観】

それなりに見えるけど.JPG
 
 
厚化粧極まりない.JPG

旧型(550cc車)は、二号機より全長が100mm短く、バンパーの形状も異なる。

撮影にあたり、余りにも小汚かったので、気合を入れて厚化粧させた。2週間もすれば
元通りの姿になるだろう。下地は全くのツヤ無し。樹脂部品の劣化・欠損も著しい。
内装では、特にシートの退色と破れが目立つ。サスペンションは購入当初よりスカスカ
のまま交換せず現在に至る。


【走行・主な整備状態】

・購入時(02年11月) 4万キロ強、現在12万2千キロ

03年
・当て逃げによりバンパー破損。同L100V(ケンドーン)廃車より前後バンパー及び
 シート、フロアマット移植。(本来のバンパーはボディ同色)
・ウォーターポンプ交換

04年
・ 左ウィンドウ故障、レギュレータアーム欠品につき現在も解体車探し中。
・ 左ドアキーシリンダをイタズラされて破損。メクラ対応。
・ エンジンマウント交換

05年
・ オルタネータ故障。廃車のL70V(ミラ)から移植。
・ フロントウィンドウを縦断するクラック発生、新品交換

06年
・ マフラー交換(純正)

09年
・貰い物アルミ装着、タイヤ新品

10年
・ディマスイッチ故障、新品交換


・ブレーキオーバーホール2回
・ポイント交換二年or2万キロ毎
・ディスビキャップ/コンデンサー交換
・プラグコード交換2回
・ヘッドカバー交換
・サーモスタット交換
・タイミングベル/ACGベルト交換2回
・ラジエータパイプ交換
・エキゾーストマニホールドシュラウドダクト(暖められた吸気導入)交換 

 
なんというか、エンジンマウントを交換したあたりから、意地になって乗っていた
感がある。捨てそびれたのだ。その後の整備状況を考えてみても、やはりもう捨てる
のが惜しい。
 
そうやって変な車を持ち続けていると、呼びもしないのにまた変な車が寄ってくる。
これに一度はまると、なかなか抜け出せない

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コメント(2)

すげ~極上車・・・俺でも涎でしょうな車です
この時代に、こんなレアな車がこんなにきれいな状態で出てくるなんて・・・

いつも読んでくれてありがとう。

ヨダレ出そうなんて、もっと大きい車が好きなのかと思ってました。
今度ぜひ見てみてください。
ちなみに、これには純正リアスピーカーのおまけがついてきました。
こちらは使用していなかったらしく、やはりどう見ても新品。
たいした事の無い3ウェイのボックスタイプですが、クラリオン製の
国産品というあたりに、当時の良心を感じます。

頂き物のETCやCDデッキと一緒に恐る恐る組み付けてみましたが、
しっかり動作します。【CHACHA】のイルミネーションが
いかにもバブルっぽく決まっていてお気に入り。
こりゃ車内BGMも当時ものに合わせたくなりますね。