田舎日記ホーム >>> 田舎生活 >>> 新規就農者ブログ >>> #258 手間は惜しまず道具にも

#258 手間は惜しまず道具にも

| トラックバック(0)

高校時代の先輩と一緒に、この間拾ってきたコンバインの整備をすることにした。

何せ昨年の経験からも、この手の機械がそのままでは使えないのは百も承知。
以前にも似たような事を書いたが、コンバインの中古、それもクズ屋やオークションなどでの
購入は、それ自体が賭けに等しい。よって、早い段階でしっかり使える状態にしておかねば、
稲刈りを始めてから泡を食う羽目になる。


そのままじゃね・・・.JPG

という訳で早速作業開始。折からの暑さ、コンクリートの上で作業するのは、なかなか辛いが、
まずは各部メンテナンスカバーを外し、空の動力散布機を使用して内部のゴミをい掃除。
 
 
そして、細かな部分を手で掃除する。
  
 
これってなんつーか.JPG

すると、いきなり不具合を発見。

 
一番ラセン《唐箕(モミを選別するフルイ) の下にある、選別済みのモミを横方向に搬送する
装置》のある部屋に下の写真のような腐ったモミがぎっちりと詰まり、更には堆肥化している。

モミが堆肥化.JPG

ラセンは、この中に殆ど埋もれてしまい、プーリーを回そうにもロックして動かない。
この機械は、中国人のヤードに来る前にもかなりの放置期間があったことが伺える。
それは即ち、このモミ詰まりで故障し、修理をあきらめてそのまま放置した可能性が高いと
いう事だ。

もうこの時点で、応分の整備及び部品代を覚悟する。
当初は、簡易メンテでいけそうだと読んでいたが、何事もそんなに上手くいく筈が無かった。

昨年の自分なら、ハズレを引いたと思うかもしれないが、もう途方に暮れる暇ですら惜しい。
何より、ここ以外の状態は抜群に良い。直せるならそれで良いではないか。機械の寿命など、
所詮扱う人間が決める事でしかないのだ。
それに、整備すると機械の設計思想や、前の持ち主の使い方などが手に取るように伝わって
くるので、割と面白い。【やってみもせんで】 と言うのは、正にこの事でもある。


 
躊躇もせず、そのままラセンを抜くべく分解作業に突入。
こんな時、単車再生歴10年以上 (事故車、放置車、重整備が必要で業者がサジを投げた
単車の再商品化。そのスジでの言い方をすればオコシ) の先輩がいると非常に心強い。
 
 
分解の際は、このように苗箱を使うと便利。
 
苗箱って便利.JPG

部品や工具を紛失しにくく、また、外すセクション毎に部品を整理出来るので、組み立て時に
混乱しにくくなる。あるものは何でも使うようになってきて、アングラ感も申し分なし。
 
 
 
構造上、一番のラセンを抜くためには、先に揚穀ラセン(横に送られてきたモミを上に出す)を
外す必要がある。
 
 
ラセン取らにゃ.JPG

フロアパネルもホッパーも取り外され、さながら解体しているような印象。
 
 
 
プーリーやサークリップの固着もあり、悪戦苦闘しながら、なんとか一番ラセンを
セミアッセンブリ状態で取り外す。やたら暑い中、自動制御デバイスのセンサー点検も
併行して行い、ここまでに半日強。
 
 
穴もほれそう.JPG

なんとなく、見覚えのある機構。小学校に上がる前、ワカサギ釣りの穴を掘るために、こんな
機械で氷に穴を空けている様子を眺めていた事を思い出した。
その穴に足を落としてしまい、抜けなくなって大泣きしたのだが、トラウマになっていないようで
幸いである。
 
 
さて、ここまで分解して判明した事は、 

・この機械は、モミ詰まりを無視して、前の持ち主が無理に稲刈りを続けて
 破損させたと察する。


・破損箇所は、一番ラセンのベアリング及びベアリングホルダ・プーリー

・ラセン及び二番スロワ(再度選別する必要のあるモミを、フルイの上に戻す羽根車)・スロワ
 ケースも、詰まり気味で運転されたせいか、稼働時間に対して磨耗量が多く、補修あるいは
 交換が必要。
 
 

以上である。型は古いこともあり、通常このコンバインを農機屋に持って行けば、ゴミ呼ばわり
される事は必至だろう。

しかし、
 
『中国人ブローカーが輸出しようとしていたものを押さえた。』
『分解した部品を持ってきた。』
『パーツリストを見せてください。』
『このラセンは何処まで磨耗すると使えなくなるのですか?』
『クラックが入っている箇所はガス溶接で補修します。』
 

等と言えば、向こうもこの人はもうダメだと諦めてくれる。
似たような業種でも彼らが上流なら、こちらは最底辺。それはそれで商売はカチ合わない
のだから話も通じやすい。 
 
と、いや機械屋みたいなもんだが、一応農業者であったか。
ブログのネタが機械になると、さっぱりという読者も多いとは思うが自分でも、もう業種が
なんなのか判然としなくなってきている。これの何処が【就農者ブログ】なのだろうか・・・。
 
 
翌日、コンバイン一号機も久々に引っ張り出す。
 
一号もちゃんとね.JPG

こちらも、始動不良、スロットルの固着などマイナートトラブル有り。速やかに対処し
引き続き調整予定。
 
 
機械は働いてナンボ。無駄に台数だけ増やしていく訳にはゆかないのであった。


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://inaka-nikki.net/mt/mt-tb2.cgi/1213