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#247 混合油のおはなし

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最近は、草刈りや除草作業が続くので、ガソリンの減りが早い。
朝、混合ガソリンを作るのも日課になりつつある。

しかし、よく考えてみると、混合ガソリンとは何なのかご存知ない方も大勢
いるのではないかと思う。そこで、今回はこれについて解説してみよう。

混合中です.JPG
 
混合ガソリンとは、ガソリンと2サイクルエンジンオイルを混合したものである。
2サイクルエンジンは、普通の4サイクルエンジンとは異なり、エンジンオイルを
燃料に混ぜてエンジン内に吸い込ませて各部を潤滑する。従って、2サイクルエンジン
用のオイルはガソリンと一緒に燃やされ、排気ガスに混ざって排出される訳だ。

そう書いてしまうと、なんだかえらく無駄で環境にも悪いような印象を与えてしまう
かもしれないが、実際に世間では旧態化したメカニズムと捕らえる傾向も強い。
しかし、50cc以下の農機用の小型エンジンにおいては、構造が単純且つ軽量で
高出力、そして廉価な2サイクルが未だに主流となっている。

そこで、小型の機械を幾つか使っている限り、この、ガソリンとオイルを混ぜるという
作業が必ず発生する。

 

その、オイルとガソリンの比率(混合比)が今回の話の肝。
この混ぜ方で、エンジンの出力や機械のメンテナンス頻度が変化するのである。
 
 
最もよく言われる混合比は、25:1。ガソリン1リットルにオイル40ccという
計算だが、確かにこの比率で使用すれば、エンジンの焼きつきなど致命的なトラブルは
起こりにくい。メーカーの指定混合比も25:1であるケースが多く、この比率に何の
疑問を抱かずに守り続けている人が多いのも頷けよう。

しかし、見方を変えてみれば、これは機構の保護に対して最大限のマージンを取った
混合比率であると言える。要するに、『等級の低い安いオイルでも、この比率で混合
しておけば、長時間使用しても大丈夫ですよ。』と言っているに過ぎない。

誰もが、メーカーの指定通りのオイルを使用するとは限らない。
よって、ユーザーに対して、オイルが濃い目の混合比を指定することによって不用意な
故障の発生を抑えている側面が強いのだ。

だから、適切なオイルさえ選べれば、ある程度までなら混合比を薄くしても何ら問題は
起こらないとも考えられる。自分の場合、普段50:1で使用している。 
 
 
では、オートバイやスノーモービル、マリンジェット等の高出力エンジンにも対応する
性能の高いオイルを、25:1という濃い目の混合比で農機に使用するとどうなるのか
と疑問に思う方も出てくるかもしれない。その場合の傾向を以下に示してみよう。


・エンジンの吹けあがりが良くない、全域で回り方にバラ付きが出る
・出力が不足しているように感じる
・エンジンが始動しにくくなり、点火プラグもくすぶり気味になる
・排気ガスにススが多くなり、マフラー(消音器)がつまる
・排気ガスの白煙が多くなる
・スロットルを開け気味で使用する事が多くなり、燃料消費も増える
 
 

これらの傾向は何故起こるのかというと、他ならぬオイル過多である。オイルは当然
ガソリンよりも燃えにくく、その比率が高くなればなる程、ガソリンの良好な燃焼を
妨げてしまうのだ。


一口に2サイクルオイルと言っても、その種類は多く、特性の幅も広い。だから、
初心者は何を選べば良いか判りづらくもあるだろうが、とりあえず、FCとかFDという
グレードのオイルを選定すれば、まず50:1で使用して問題は無いだろう。あとは
色々使ってみて、好みに合うものを探せば良い。

このFCとかFDというのは、自動車技術会制定 2サイクルガソリン機関潤滑油規格
(JASO M 345)規格適合という意味だが、誰も興味は無さそうなので細かい部分は
省略。ついでに言うと、FB級より下のオイルは市場に出回っていない。
 
 
 

選びやすい例は、まずこれだろうか。 
入手しやすい最高規格.JPG

ヤマハ純正、オートルーブスーパー。
これは、低価格ながら、規格最高級のFD。高回転・高出力のスポーツバイクにも
対応しているので、高回転で長時間使用する農機にも合っていると思う。
混ぜるには、このような計量カップも用意しておくこと。
 
 
 
次のオイルは、ハスクバーナ純正。最初から指定の混合比が50:1である。
場合によっては2万回転近くまで回るプロ用チェンソー向けのオイルなので、
これは空冷のオートバイに使用しても良さそうだ。
 
このボトルは便利.JPG

ボトルは簡単にオイル量を測れるよう、2室2キャップ構成になっている。
ボトルが空になったら、以降は他のオイルを入れて計量すると便利なので、少々値段が
張るが買っておいて損は無い。と、言うか、50:1以上で混合すれば、単純にオイル
量は25:1の半分以下で済み、マイナートラブルの発生も防げるので、少々高価で
あっても機械のランニングコストは殆ど変わらない。
つまらぬ所をケチらず、より効率的に機械を稼働させる方が、自分にとっては得策だ。

しかし、メーカー指定外のオイルを必要以上に薄くするのは厳禁。確かに100:1
でも使える性能のオイルも幾つかはあるが、潤滑は確保出来ても、油膜による機械部品
同士の緩衝(衝撃緩和)作用は低下する場合もあり、機械の寿命を縮める事になり
かねない。モータースポーツなどでは、75:1~100:1の混合比ということも
ザラだが、飽くまでこれは耐久性を犠牲にして、短時間の内に少しでも多くの出力を
取り出すという目的があっての事。レース中も、何時エンジンがブローしたり、焼き
ついたりするか判らない。

また例外として、メーカー推奨オイルの混合比が100:1(丸山ケムナイト)だっ
たり、機械側が100:1を要求する(ホンダF110など)場合もあるので、その
際は気にせずにその指定を守れば良い。

 
 
 
さて、こちらは混合に便利なタンク。
 
 
目盛りにオイルをですね.JPG

タンクは、オイル室とガソリン室が分かれており、オイル室には25:1~50:1
まで、オイルをどれだけ入れれば良いかという目盛りが別々に刻んである。
 
  
こんな感じに.JPG

別々に入れるとこのような感じ。
 
 
ガソリンとオイルの部屋は、内部で繋がっており、タンクを傾ければ直ぐに混ざる。
 
混ぜるのも簡単.JPG
 
 
とまあ、簡単に噛み砕いて説明するつもりだったのだが、随分と長くなってしまった。
普段何気なく使っているもの程、やたらと奥が深い。
 

以上の説明以外にも、もっと興味がある方は、コメントで質問でもして下さい。

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コメント(2)

お尋ねします。燃料キヤプに50:1と記されています、それを知らず20:1で使用していました、ところが先日エンジが吹かなくなりました、それは燃料のためでしようか、 教えてください。ちなみに機械は草払い機です。

刈払機のエンジンの調子が悪くなったとの事ですが、その事象だけですと正直に言って
こちらでも判断は出来ません。こういった問い合わせを行う場合は、お手数ですが使用されていたオイルの銘柄、機種、
使用年数や年間の使用時間、これまでのメンテナンスの有無などをお伝えくだされば
少しはまともに回答することが出来ます。
よろしくお願いします。


ですが、20:1の混合ガソリンは、非常にオイルが濃い状態ですので、点火プラグが
かぶり(くすぶり汚損)して、火花の状態が悪くなっている可能性は高いとは思います。
ひとまず外して確認してみてはいかがでしょうか?黒くくすぶってべとべとのススが
こびりついていたり、電極が燃料で濡れているようなら交換してみてください。

また、オイルが濃すぎる状態というのは、燃料の燃焼状態がそれだけ悪くなるという事
です。ガソリンよりもオイルの方が燃えにくいので、濃くするとメカニカルトラブルは
防げますが、正常に動いている場合でも出力低下と燃費の悪化は避けられません。
同時に、排気ガスには未燃焼ガスとカーボンが多くなり、それによってマフラーが次第に
詰まって吹けなくなる事も多々あります。この場合は、マフラーを取り外して焼く・
排気ポートがカーボンで閉塞している場合はそれを除去するなどの対応が必要になります。
よって、仮に燃料が原因で吹けが悪くなっていたからと言って、それを50:1の混合油に
しても簡単に解決するかどうかは判りません。


ついでに、調子の悪い刈払機のエンジンはエアクリーナが劣化して欠損している事も多く
あります。それによってキャブレターが正常に機能しなくなる場合もあります。
ご自分でメンテナンスをなされるようでしたら、そちらの清掃・交換なども行って
みてください。尚、一般的ナダイヤフラムキャブレターの場合、内部のダイヤフラム
(膜弁)も消耗品です。長時間使用されている場合は、それらも疑ってみてください。


以上、本文と重複する内容も含みますがご参考に