千葉県で田舎暮らし・新規就農者のブログ-田舎日記の新規就農

千葉県で新規就農を果たした若者の新規就農の軌跡を、BLOGでお伝えしています。千葉県での新規就農を目指している若者の参考になれば幸いです。

新規就農者ブログ

2012年10月

尚も稲刈りが続く。残っているのは棚田の一番下。ここのところ徹底的に溝を
掘って更に要塞のような見た目になった田んぼである。もとより耕作条件としては
最低に近い田んぼだけあって、そこに天候不良が加わってはもうても足も出ない。
雨は相変わらず3~4日おきにまとまって降り、9月の中旬に落水して以降も常に
土の水分は飽和状態。立派な溝を散々掘ってみたところで全く乾くことは無かった。
そんなこんなで、機械が入れぬまま十月も終盤。もう日も短く気温も低く、晴天が
続いたところでそうそうコンバインで稲刈りが出来る見込みも無い。
従って、ここは全面手刈りを慣行せざるを得ない。面積は、一反7畝程度か。
田の中は、昨日の雨の影響もあり、どこを歩いてもくるぶしより上まで埋まるような
状況だが、だからといってこれ以上手をこまねいていては、折角のモチ米が鳥のエサに
なるだけだ。

あと2/3だ.JPG
 
そんな悪条件ではあるが、毎年応援に来てくれているユキヒロと一緒に作業した結果、
一日で1/3を刈ることが出来た。悪条件の場合、作業慣れした助っ人がいてくれる
ほどほど心強いものは無い。ここからは単独作業になるが、なに、やっていれば
そのうち終わるだろう。終わればいいのだ、終われば。そもそも、これまでに散々
草刈りを行い、溝を掘り続けてきたような根性があるのだから、数日間手で稲を刈り
脱穀を行うというのが出来ない筈が無い。出来ればやりたくないことばかりだったが、
とにかくそれら作業を続けてきた仕上げに相応しい最後の課題である。

だが・・・収穫そのものは、これまでの努力も報われなかったようだ。
イネが立派な株に生長していて、分けつも穂もそれなりにある区間でも、シイナ
(不稔実=中身が入っていない)モミがやたら多い。モミ全体の1/3強はシイナに
なっているかもしれない。

シイナ多すぎる.JPG
 
恐らく、穂が出てきて花が咲いていた時期に気温が極端に低下した、あるいは台風など
強風の影響を受けたと思われる。今日収穫した量から計算すると、田んぼ全体で、
4~5俵いけばマシという感じ。実に反収二俵以下という想像を絶する世界である。
まだ残りの作業があるというのに、この徒労感ときたらハンパで無い。日照・水・草
・気象・排水不良・・全てに翻弄されながらなんとか耕作をしたが結果がこうなら受け
容れるより外もなし。でも本音を言うなら、ここで跪いて涙を流したい。

普通、農家というものはどのように安定して多収穫をするかということを常に
考えている。だが、それは、ある程度しっかりした耕作基盤と設備があってこその話。
自分が受け持っている田んぼなどはその水準に全く達していないところばかり。
耕作を始めて四シーズンが過ぎたが、状況が改善する兆しは特に見えない。
身についたのは、通常では必要とされないような裏ワザばかりで、全く一般的な耕作者
とは相容れない性質のいわゆる農業とは別次元のスキル。


そんな私の事を、世間の方々はアホな奴だと思うだろうか。
金もないのにいつも慈善事業をしているお人好しだと思うだろうか。
それとも、ただ趣味で田んぼをやっている道楽者だとか。
日常生活がサバイバルみたい?余計なお世話だこの野郎。
 

だが、そう見えても仕方はなかろう。ただ、そんな風に思われることが本人にとって
何より苦しく、そして悔しくて仕方が無い。ならば、『なんでやってるの?』と、
尋ねたい読者も大勢いるかもしれない。そこで、この際あらためて表明しておくが、
自分はこの国の中山間地農業の行く末を、この目で、実践の場を通して見届けて
ゆきたいだけだ。
 

それでも、それを知ってか知らずか、こんな奴を応援してくれる人、慕ってくれる人、
心配してくれる人に自分は支えられて生きてこれたのだ。だったら、結果どうこうより
も自分で始めた事を投げだしたらどんなに失礼な事か。

人、そして植えたイネに、色々と学ばせてくれた自然環境に対して無礼のない生き方を
するのも容易でないが、そうしなければ気が済まない性分にいつしかなってきていた
らしい。未だ出来ぬ事は多々あれど、その気持ちだけは常に持っていなければ直ぐに己を
見失う。そうなったら多分、何をしても面白くないだろうし、身近な幸せに気付くことも
無いまま、日々が無駄に過ぎてゆくだけだ。それが自分にとって何よりも恐ろしい事だと
素直に思うのだ。

#529 イネが育たぬ田

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今年も、棚田の上二枚は不作そのもの。これまでまともに収穫出来た試しが無い。
今年は入念に草取りを行ってみるも、結果として、草を生やそうが生やすまいが
収穫量に殆ど差は見られなかった。陽が当たらない・気温/地温が低い・排水が悪い・
水位と水温を調整する側溝を掘っていないので湧き水も絶えず流入する・風通しも
悪いときては、イネはただ穂をつけるだけで背一杯と言う感じである。毎年植える
品種を変えてみたが、分けつ量は何を植えても極端に少ない。恐らく反収二俵まで
いかないのではないか?だが、まだ晩成品種は試していない。来年は、せめて生育
期間を長く取れる奥手のイネをこれまでより早く植えてみようかと思う。
若しくは、減反に当てて調整水田とし、イネ以外の作物を植えるなど真剣に考え
なくてはなるまい。(強湿田につき、減反補助金の対象となる転作作物の栽培は
全く望めない。減反に協力して得られるのは、一万五千円/一反あたりの個別所得
保障のみである)


このような状況下で稲刈りをする場合、コンバインの移動速度を早くしないと
こぎ台からスルスルとイネが落っこちてまともに脱穀出来ない。だが、田面が
ぬかっている場合は速度を上げるとスリップして進まなくなることもある。
もともとかなりの湿田に加え、雨が続いたような条件だと、速度とイネの搬送量を
絶妙なところでバランスさせなければならず、やはり神経を遣う。

マジで泣きたくなる.JPG

更に、陽が当たらない場所ということもあり、夕方を待たずして湿気が上がってきて
午後三時前からイネに露がついてしまったりする。このような【濡れ刈り】条件は
脱穀選別にも機械にも、後の乾燥にまで悪影響を及ぼす。コンバインが詰まらないよう
祈りながらの作業だ。それでも悪条件での操縦スキルが上がったようで、コンバイン
トラブルは今年も未発生。

稲刈りも、残すところあとはモチ米の二枚。しかし、今日もまとまって雨が降って
しまった。また明日は溝掘りとドジョウ獲りか。
絶妙なタイミングで天気が崩れるとなれば、こちらも絶妙に合わせて作業するのみ。
ただ、流石にそれを一ヶ月半も続けていると疲れてきた。早いところ稲刈りは終わり
にしたいものだ。

#528 豊漁

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連日のように溝を掘り続けた結果、嫌でも体が出来てきたらしい。
少しは作業に余裕が出てきたので、他のことも同時進行。

かわいいけど食べます.JPG
 
春にザリガニを獲った時と同じく泥をすくうと、ドジョウが沢山出てくるので大きめの
個体を素手で捕獲。今回は思いつきでやったので、ペットボトルに入れて持ち帰るしか
なかったが、いかんせん捕獲したものを入れづらい。今度からはコンテナとバケツを
持って行こう。尚、捕獲量は必要最低限に。
 
かわいいし、水底を這い回ってエサを探す姿も愛嬌があるので昔はよく飼っていた
けれど、40匹近くも飼う必要は無い。従って、ザリガニ同様に食うことにした。
しばらく生き絞めにしてから、色々料理しよう。個人的には唐揚げが好きだ。

ここの田んぼは豊富な湧き水の中で生き物が育つせいか、コメの味はすっきりしており
ザリガニに至っても、背ワタだけ抜けば捕獲したその日に食っても臭くない。(買って
きた冷凍エビの方がよっぽど臭う)丸々と太ったドジョウも美味しいことだろう。

田んぼの収穫量はイマイチながら、水路を作りこんでいった結果、水棲生物が増えた。
この三年間は、稲作というよりも、ドジョウ/ザリガニの蓄養環環境を整えていた
ような気がしてならない。まあ、売れるというのならそれでもいいような気もするが。

十月に入ってからも、稲刈りは停滞が続く。一応は進めているのだが、どうしても
全く乾かないのは棚田。中でも一番下の要塞田んぼの状況が最悪だ。

傾斜している土地にあって、比較的広い田んぼの場合、どうしても、田んぼの脇を
通るメインの側溝(圃場整備の際に作られたコンクリート張りの用水路)も傾斜が
きつくなり、田んぼ全体で見た場合、落差の大きい箇所と、ほとんど無いような低い
箇所が出来る。田面は、整備された時には充分な落差があったとしても、年々沈下
してゆくためだろう。側溝のコンクリートの壁の高さよりも、現在自分の掘っている
排水溝のほうが低くなってしまった。その場合は、土手に刺さっているコンクリートの
板よりも下のほうまで掘り下げて、無理矢理排水させるか、壁自体に穴を開けてパイプ
でも突っ込んでおく他には道が無い。田面が下がったというなら、客土をすれば良いと
思うだろうが、この田んぼは農道とそこから田んぼ内へのアプローチ含めて、簡単に
土や砂を運び込めるような環境では無い。だったら、最初から無理して傾斜地の棚田を
無闇に広くする必要など無かったのである。平地・山間の傾斜地を問わず、全国の
圃場を画一的な考え方で広い乾田にし、農作業・生産効率を改善するという農業土木の
あり方はいい加減終わるべきだろう。このように過去に改良工事を受け、劣化した傾斜
地の水田など、誰がこの先も好き好んで管理していくというのか。水田として維持する
だけで、エネルギーの無駄遣いを余儀なくされ、また、収穫量もさほど改善しないと
いうなら管理する意味が無くなってしまう。そうなる位なら、昔のように自給的かつ
エネルギー投下量の少ない小さな棚田のままでいた方がマシだったろう。

ここは確かに自然豊かな土地に見える。だが、現状の管理方法からするに、見方を
変えれば単にエントロピーを無意味に増大させるだけの沼でしかない。農業が環境に
いいと思っている人は、即刻それが間違っているということに気付いて欲しい。


まあ、そんなたいそうな事を考えてみたところで、稲刈りが出来るようになる筈もない。
落水以降も雨が続き、完全には水が抜けずにいたので、今月に入ってからはひたすら
側溝を深くし、田んぼ内にも排水の溝を刻み続けている。学生や友人が手伝って
くれた後も、落差を更に稼ぐために黙黙と掘り続けている。溝掘りしかしていないの
だから、ブログだってそんなに更新しても面白くない。


これから更に掘れてます.JPG
 
これは約一週間前の写真。現在は、あたかもユンボで掘ったかのような深さになって
きた。だが、それでも乾かない。晴れが二~三日続いたかと思うとまとまった雨が降る
からだ。
 
 

 
おそらく、晴天が一週間続いてやっとコンバインが入れるかどうかといった感じ。
従って、稲刈りは早くても月末。よくイネが倒れずにいるものだ。
とにかく、このままではいつ収穫出来るか判らない。側溝掘りはまだ続けよう。
このまま晴れて稲刈りがなんとか出来たところで、来年だって、同じような事が
起きるかもしれない。ならば、しっかりと水の管理が出来るような状態にしておく
事が大切だ。
 
普通の人がこの様子を見たら、恐らく暗渠工事をしていると思うだろう。
だが、別に暗渠を入れるつもりは無い。この田んぼは貴重な生き物の宝庫。
水域を確保しなければそれらの生息域が無くなる、落水時でも、ある程度の水が
側溝にあえて残るようにしつつ、田面は乾くようにしなければなるまい。

そんな気持ちを知ってか知らずか、相変わらず湧き水の流れる側溝ではホトケドジョウが
群れで泳いでいた。だいぶ掘って、底面も均したので泳ぎにくそうだったが、どうにか
湿地まで辿りついて暮らしてくれ。今はこうしなければいけないだけで、決して君たちの
棲家を奪っているつもりは無いから。

何回やっても、単独でのモミ摺り作業は落ち着かない。幸いにして、今年はまだ機械の
トラブルが出ていないが、毎年モミ摺り機のトラブルで損失を出してきたトラウマは
なかなか払拭できるものではない。単独作業の中では、ケガの可能性は少ないながらも
最も神経をつかう作業である。それを改善すべく、夏場に徹底的な清掃を行い、今年から
モミガラ排出部の管の取り回しも変更。急激な負荷変動があってもベルトがスリップ
しにくいよう入念にベルトワックスまでかけた結果がどうやら功を奏しているらしい。

くう~過積載.JPG
 
作業を始めると、全てが終了するまでは基本的に止めることは出来ない。モミが大量に
内部に残っている常態では、排出が済むまで機械をいきなり止める事も出来ないし、
いちいち止めたりしていると選別が甘くなるってしまう。今日のように二~三時間回す
ような場合は、精神的にきつい。出来上がった玄米は、軽トラに積んで検査場に運ぶが、
写真の状態だとかなりの過積載で色々良くない。それでも一度に運ぶ事が出来ないので
二度に分けた。


これにて、どうにかこれでコメの出荷が開始できる。これまで雨が続いたおかげで、
運転資金すらほぼ尽きていた状況だが、バックオーダーを片付ければどうにか今月は
凌げそう。そして、まだまだ稲刈りは続く。本格的に忙しくなるのはこれからだ。
今後、天気が好転するのをとにかく祈るのみ。

#525 ジワジワ挽回中

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台風は思ったほどの被害も出さずに無事通過。またもうひとつ接近しているようだが
作業はなんとかペースを取り戻しつつある。

今日、本年度ぶんコシヒカリの稲刈りは全て完了。進捗状況としては、目標に対して
八割くらい。9月中に、ふさこがねをあと二反ほど刈りたかったが、まだまだ持ち
堪えられる。こちらは恐らく週末に刈ることになるだろう。
稲刈り自体は、当初の予定通り、今月の中旬を過ぎる位まで続くだろう。
 
 
一昨日、見事に刈れずに退散したやそはち田んぼも、急いで駆けつけてくれた四人の
学生によって、なんとか昨日稲刈りが終了。

まったく一時はどうなるかと.JPG
 
前回・前々回の稲刈りに参加したメンバーばかりだったので、作業は実にスムーズ。
午後二時半を回ってから作業を開始したにも関わらず、二時間強で脱穀まで完了。
これ以上、イネを放置してしまうと危険な状態だったため、一時はどうなるかと思ったが
これにて一安心。

稲刈りは いつもの大工さんも手伝ってくれた。
この人には、私も彼等もお世話になりっぱなしです。
 
元本職の安定感.JPG
 
昔ながらの作業は、地域の人がやると、とてもサマになる。
手で刈って、田んぼに刈ったイネをバッテンに置いてゆく様子は、そばの道をり
がかる車などもわざわざ減速して見てゆくほど。

いやなに、単に田んぼが乾かなかっただけなのだけれども、やれるだけやったというのは
周囲にも伝わったのだろうか。

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