最近になって、この表現をそこかしこで聞くようになった。
無論、エンジンが始動するという意で用いられている。
何年か前から気になってはいたのだが、若年層を中心にだいぶ定着してきているらしい。
何で エンジンは"つく" ものなのかと尋ねてみると、【つく】とは、どうも【点く】
を意図しているらしい。モビリティをはじめとする、動力付き作業機械の白物家電
扱いもここまで来てしまったか。だが、それをここで批判するつもりは無い。
おっさんの戯言だとか、マニアの執着だと言われようが何だろうが、単に【つく】だと
間違いだと伝えたいだけである。
それで、写真は何をしようとしている所だろうか?
これを見て分かる人は、機械に興味があるか、年配の方だろうか。
正解は、エンジン(発動機)を始動しようとしているところ。
スタータモータや、リコイルスタータが無くても、ヒモをクランクプーリーに巻いて
直接人間が引っ張ればエンジンを【かける】もしくは【始動する】事が出来る。
どんなレシプロエンジンでも、始動の仕組みは同じ。ヒモをプーリーに引っ掛ける、
始動クランク棒をクランクシャフトに引っ掛けて回す、キックペダルに足をかけて、
体重を乗せながら思い切り踏み込む、スタータモータのピニオンギアがリングギアの
山にかかる(噛み合う)、車体を滑走させ車輪の転がりを利用して、エンジンへ入力
する・・・すると、エンジンは自分で駆け(回り)はじめる。
どの方法も、エンジンが自律運転(連続的運転状態)を始めるためのきっかけを与える
動作であり、それには単なる電気のスイッチングとは異なる、【機械的な抵抗】及び
【強制的な回転運動の入力】を伴っている事が理解出来る。それらの表現として、
【かかる】を用いるのは、日本語として適切であると言えよう。
それでもまだ【エンジンがつく】と表現したいのならば、回転運動を入力した際に、
点火プラグに火花が飛ぶこと、あるいは圧縮された混合ガスが自然に着火するという
意味で【点く】を用いれば良い。
