新たに引き継ぐことになった田んぼは、ちゃんと草刈りがされていなかったらしく
法面がヤブになりかかっている。
いちいち時間をかけてしまうと、徒労感が増して精神衛生上よろしく無い。とばっちり
の不愉快な時間はなるべく短く済ませないと、本当に人間が腐ってゆく。
そこで、2枚刃を使って、木のようになったアワダチソウをどんどんなぎ倒す。
残渣は、散らかしておいても分解が遅いだけなので、段刈りして細かくしておく。

普通に刈る部分もあるので、都合上用意した刈払機は3台。2枚刃、チップソー、ナイ
ロンコードと装着しているものも全て異なる。一人しかいないのに何ということだろう。
でも、それで早く作業が終わるのだ。
畦畔から田んぼに向かっては、思った通りスズメノヒエが侵入しはじめている。
作付けしてからも、これには苦戦しそうだが、昨年も同じような経験をしているので、
ある程度対策は出来る。
とにかく、ここでは昨年より相当まともに管理しなければなるまい。
雑な管理をするとリスクも高まる。例えば、草刈りをせずに、土手をヤブにして
おいたら、ここを通過する人にも迷惑だし、自分も作業しづらい。農道と斜面の
見切りが悪くトラクターや軽トラを田んぼに落としてしまうかもしれない。何かの
弾みで火災が発生するかもしれない。ゴミを投げ込まれ易くなるかもしれない・・・。
そんな事を考え出すとキリが無い。草刈り程度で多くのリスクが減るのなら、サボる
べきではないのだ。そして一円にもならん作業なので、安全に配慮しつつ一秒でも
早く済ませる。
周囲に見られているというのは、この際構わない。ただ、余所者に田んぼを預けても
大丈夫という風に思ってもらえればそれで良い。これから先、この土地で新たに
耕作を始める人がいた際、もし自分がダメダメで、何年か土地を荒らし続けた挙句、
尻尾を巻いて逃げ帰ったというようでは、次に入ってきた人は、それと同類と受け
止められて、理不尽な苦しみを味わうかもしれない。
そうやって、新参者の定着が困難な土地が出来上がっていったのでは、誰も喜ばない。
新たに山村へ入って行こうという者には、そういった観点も含めて認識しておいて
欲しいし、知らないしきたりは、速やかに地元の人に教えてもらう姿勢も必要だ。
これは、無理なお願いだろうか?
もし、自分のみがスローライフを堪能したいという気持ちのみで動いているのなら、
周囲に人が全くいない山里へ飛び込むのが最も良いだろう。