話が前後して申し訳ないのだが、週末は父親がこちらへ様子を見に来ていた。
草刈りを手伝ってもらったり、お世話になっている方々へ挨拶をしたりするうちに
意外なことが判明した。
それは実家で、長い間使い続けてきたお酢のこと。

国産有機栽培米のみを原料とする、非常に品質の高いお酢。
口当たりも良く、生の日本酒のようなフルーティーな香り。
そのままでも、抵抗なく飲めるような稀有な味のものだ。
近年は出荷実績も伸び、首都圏のスーパーなどでも見かけるようになっていたが、
昨年の一時期、この商品がどの店舗からも消えてしまったことがあった。
父は、ここの酢造と懇意らしく、年明けにお詫びの連絡が届いたと話していた。
その内容を要約すると、
『原料の一部である、千葉で栽培された米の中に、有機JASの認証を受けていない圃場で
栽培されたお米が混入していたため回収しました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。』
となる。
件のお米の生産地域が、こちらに近いので何か気になったらしく、父はそのことを師匠にも
尋ねていた。
父 「△△県の〇〇というところをご存知ですか? ~上記~という訳なんですが。」
師匠は、少し顔が引きつっているように見えた。
師匠 『恐れいりました・・・。その生産者団体には私も入っています。』
『そのお酢の材料のお米を△△県まで運んでいったのも私です。』
師匠自身は、その材料の生産者ではないが、組織の中で最も若いので運搬をいつも
頼まれているそうだ。
そのまま会話が続く。父親と師匠は、この話で一気に距離を縮めたようだ。
身近なところから想像もしないほうへ、突然話がつながってゆくことが最近よくある。
それとも、有機栽培の生産者ネットワークは、思ったよりも狭かったということか。
ところで、無認可米混入について補足をすると以下のようになる。
有機JASの認証を取得するまでには、3年程農薬を使用せずに栽培を続けることが必須。
要するに、認証を取得するまでの間、農薬を使わずに認可されるところの有機栽培と全く
同じ管理をしても、そこで取れたお米は 【有機】 を名乗ることは出来ないということ。
昨年、そのお米が、有機の認証を受けた水田で栽培されたお米に混入してしまった。
農薬を実際には使用していないお米でも無認証は無認証。
その状態で【有機】を名乗れば詐称になってしまう訳だ。
(意図的な混入かどうか、自分は知らない。もしそうであればそれは問題だが)
酢造さんは、<品質には問題ありません> と、本当は言いたいのかもしれない。
けれど、製造者がそれを言ってしまうと居直りとも受け止められてしまう。
しかし、何も伝えなければ消費者からは、あたかも農薬を使って栽培したお米を
混ぜ、有機と偽って販売したと思われるだけだろう。
誠意を見せるには回収するしか選択肢がなかったのだろうか。
さぞかし悔しい決断だったと察する。
安全・安心のためのチェック機構の判断だけでは、食品の良し悪しが見抜けないこともある。
これから先、自分も米を売っていくことになる。その際に、どんな伝え方をすれば安心して
食べてもらえるのだろう。
みんなこのブログを読んでくれる訳ではないだろうし。


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