草刈りをしていると、よく土手が崩れて用水路に落ちそうになる。
機械を持ったまま落ちたりすると、とにかく危険なので、法面を修正することにした。

雑草は、土を抱え込み、水路の上のほうまではみ出している状態。
この部分が見極められないで足を乗せてしまうと、ドボンとなる。
だから、はみ出している部分は切り取って、土手の上に盛りなおす。
丁度、先週モグラ穴対策で、法面をえぐりこんでいたので、切り取った土で
ここを埋めていく。

えぐったまま放置していたら、当然土手は崩れやすくなる。
ましてや借りている土地。しっかり管理出来なければ、信用は得られない。
などと思いながら黙々と作業していたら、自転車に乗ったおじさんに声をかけられた。
「あんちゃん、頑張ってるね。こりゃ、うちのじいさん喜ぶわ。」
この水路の両サイドの田んぼの持ち主の方だ。なんちゅうタイミングで現れるのだろう。
『ほじくったら、しっかり元に戻しておかないと・・・。』
「いや、いいんだ。好きにやってくれ。」
『いや、あの~。」
「ほう、水路の姿はこうだったのか。じいさん田んぼほっぽらかしで家で水戸黄門見てるぞ。」
何か、気が抜けてしまいそうだ。
とにかく、頑張ったと褒めてくれている。何とも、自分でやった作業の後片付けをしている
だけのつもりだったのだが。
「若いもんがしっかり田んぼの面倒見てるって、じいさんに伝えておくよ。」
『どうもありがとうございます。今後もしっかりやります。』
その後もおじさんは機嫌がよく、立ち話は30分くらい続いた。
おじさんの紆余曲折の人生、スロットの攻略方法、肝炎の苦労・・・。
とかくよく喋る御仁が多いのは面白いことだ。
仕事とも休憩ともつかない、この曖昧な時間が農作業の醍醐味かもしれない。
管理作業には、土地の方々とのコミュニケーションも含まれているようにも思う。
さて、続きをしっかりやらなければ。このまま途中で終わらせたらカッコ悪いもの。


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